【第13回 2012.01.30】

短編集「ラブレター、そして旅」を発行して

投稿者:山口 茂(昭和44年卒 人文学部 外国史学科)

数年まえ、私の作品を読んだGは「評価しない」といった。文学作品は10人が10人とも肯定的な評価をする、などありえないのは当然であるが、本を出版しようという気持ちを削がれたことは確かである。

しかし昨年8月、ガンの手術をしてから、限りある生の終わる前に、これまで書きとめた作品を公にし、私を知る人、知らない人に読んでもらいたいと思った。そこで東京にあるあまり有名でもない出版社に(出版を)打診したがテンで相手にされなかった。

世の中に文章を書くのが苦手という人も多いが、一方では文によって名を成そうという人も五万といるだろうから、そんな人の全部の原稿を読むのは大変だろうと妙に納得した。

私の作品を評価してくれる人も少数ながらいるのだから、それで自費出版することにしたのである。

(「ラブレター、そして旅」あとがき より)

※この本は現在、戸田書店静岡本店(葵タワー)にて取り扱っています。


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