【第14回 2012.02.14】

良い家庭に良い子ども

投稿者:静岡県教育委員会委員長 金子 容子(昭和42年卒 教育学部 中英)

ある日、いつものように、私はまわりに来た園児たちと簡単な英会話をしていました。

"Are you happy?" "Are you happy?" と一人ずつ尋ねていきました。すると、即座に、"Yes, I'm happy!" "Happy, happy!" "Happy!" と、かわいい勢いある声が返ってきました。問いかける前は、果たして園児たちはHAPPYの意味が分かるであろうか、自分は今楽しいであろうかなどと考え込んでしまうのではないかと心配しました。しかし、そんな心配はどこへやら、とてもハッピーだと、どの子もどの子も返してくれた時は、本当に園長冥利に尽きました。そして、その瞬間、この子たちの背後には良い家庭が控えていることを感じました。

我が大学附属幼稚園では、学園の「誠の精神」と静岡県が唱道する「有徳の人」育成をめざし、幼児期にその基礎をつけることを担って教育活動を行っています。ただ、何と言っても幼稚園教育は、家庭の基盤があって、その効果を倍増できるものであると体験的に感じます。形態はどのような形態であれ、しっかりした良い家庭があって、子どもが良い子に育つと日々感じています。その意味で、現代社会における大人の教育、すなわち社会教育や生涯教育の重要性を痛感しています。

今回、静岡県教育委員会委員長を拝命いたしました。静岡大学卒業以来、私は余りまっすぐにはきていません。大学教育職に学卒で就き、助手として勤務していましたが、研究の限界を痛感し、途中、大学院進学や英国留学などをしました。現在は教育委員会委員長として県民の皆様と、短期大学部教授として大学生たちと、大学附属幼稚園長として園児たちと過ごす毎日です。

教育学部の先生方とは、今もご拝顔の機会があり、同じ専攻の方々とは一年一回一泊旅行に出かけています。静岡大学は、誠に良い教育内容を提供して下さいました。それが、今の私の基盤であることを強く感じ、深く感謝しています。


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