3月末をもって退任する興直孝静岡大学長の最終講義が、3月10日(水)に行われました。

 当日は前日の雨から一転し、晴れやかな天候の中、多くの聴講者が詰め掛け、静岡キャンパスを主会場にして、浜松キャンパスにもテレビ中継されました。

 講義の中で、興学長は、本来の大学の存在、果たすべき役割について概観し、国家と相互的な関わりが大事にされてきたものであったこと、一方、現下のイノベーション時代、なかでもリーマンショック時からの厳しい景況を脱却しようとするこの時期は、改めて国家のビジョンを再構築する絶好のタイミングであり、その中で、高等教育機関の存在が大きく問われる状況であること、そうした時期に国立大学の存在は、真に応えられるものになっているのであろうか、今、何を行わなければならないのか等を問いかけました。

 そして、そうした厳しい状況にあって、終戦後、多くの高等教育機関とともに、新制の大学として誕生した静岡大学が、これまでの新制大学としての歴史の中での活動を振り返ることの重要性を指摘し、また、本学の将来を背負って立つ若手の人材が中心となって、構築された、ビジョンと教職員像を梃子に、今、行わなければならない、教育・研究・社会連携をどのように果たしていかなければならないのかを、問いかけました。 教育にあっては、学生を最も自由な境遇に置き、その個性を十分に尊重し、その天賦の才能を遺憾なく進展せしめるものであること、研究にあっては、知の源泉としての基礎研究の推進を図ることを第一義としつつ、社会ニーズに応える国家的な、世界的なプロジェクトに外部の人材の参加も仰ぎ、学内の総力を挙げて取り組むこと、また、社会連携については、社会に価値観を提供することが重要であり、それこそが大学の使命であること、また、研究の成果は速やかに事業家に託することを第一義として、所要の施策を講じていくこと等が指摘されました。今後一層展開が見込まれる国際化時代に備えた抜本的な取組みの変革が必要であること、また、地域主権の時代の到来を考えて、更に一層の取組みの改革が必要であること、と同時に、教育研究組織の改革を進めつつ、これらの施策を戦略的に行っていくうえで、学長室を設けるとともに、中核的な担い手としての職員存在の重要性が指摘されました。

 最後に、「ビジョン」に基づいた本学としての明確な「目標」を樹立し、教職員が、一丸となって努力する先には、世界に誇れる、比類なき静岡大学の構築とその輝きが存在するものであるとの期待を熱く述べられました。

 なお、途中、学長はご自身の人生を振り返り、高等学校時代における校長先生の存在が人生において大きな役割を果たしたものであると述懐されました。

 講義後は、興学長を囲む懇親会が開催され、出席者は、和やかな雰囲気の中で興学長との別れを惜しんでいました。

○最終講義配布資料