第2回産業イノベーション人材育成プログラム・シンポジウムを開催しました

2019/11/20
ニュース

 大学院総合科学技術研究科(修士課程)は、11月7日(木)浜松キャンパス佐鳴会館にて第2回「産業イノベーション人材育成プログラム・シンポジウム」を開催し、学生、教職員、企業関係者等70名が参加しました。

 産業界では、現場、現物において実際の「もの・こと」に触れながら、自ら主体的に課題解決にあたる経験を積んだ人材が求められています。本研究科は、世界のモノづくり拠点としての役割を担っている浜松地域の企業と連携して、昨年度から工学専攻と情報学専攻で「産業イノベーション人材育成プログラム」をスタートさせました。このプログラムの一科目である「産業イノベーション創造演習」は、産業界における現実の課題を教育の場に展開し、情報、機械工学、電気電子等の異なる専門分野をもつ学生がプロジェクトチームを結成して、多面的なアプローチによる問題解決手法を学んでいます。本年度は、スズキ、ヤマハ発動機、富士通ゼネラル、ソミック石川、城北機業から提供された課題の解決に向けて分析に取り組んできました。

 シンポジウムでは、はじめに、文部科学省科学技術・学術政策局の斉藤卓也産業連携・地域支援課長から、「文部科学省における産学連携の取組について」と題し、大学を取り巻く様々な状況、産学連携・地域支援政策、前任の徳島大学の取組みの紹介、今後の方向性等についてご講演を頂きました。

 続いて、「産業イノベーション創造演習」を履修した5チーム15名の学生達から、①クローゼット型乾燥機の作成及び評価、②車載リチウムイオン電池をリユースした高齢者向けモビリティ、③ボールジョイント樹脂部品の応力除去の新しい方法の確立、④溶剤塗装マスキング治具塗料の剥離方法の検討、⑤オートバイのエンジン音の特徴量抽出と嗜好分析、について成果発表があり、活発な質疑応答が行われました。

 各チームを支援された企業関係者からは、
「リアルに<モノを作る>機会が少ない現代であのように考え、線を引き、部品を買いに街に出て、組み立てて、失敗して、
 また考える。学生さんにとっては、メーカー企業に入社した時に初めてわかる重要な経験だと思う。」
「学生さんにとっては未知の世界でワクワクする経験でもあると思う。」
「このような取り組みが全国に展開し、日本技術の復興が加速して欲しい。」
「文科省の斉藤課長のお話ではないけれど、日本の技術がNO1になって世界に貢献していく視点で、政府にも動いてほしいし、
 民間企業も<日本を強くするためには?>を経営の2番目において考え、日本の知の集結地である大学を活用し育て、そこで
 育った学生を採用して企業が発展するという循環を回し始めたい。」
「日本企業が大学へ投資する際の金額格差は、企業、大学ともに、上記のような循環を基に考えなければならないと思う。」
等のコメントを頂きました。

 プログラムを履修した学生からは、
「最初は留学生として少し心配でしたが、とても有意義な産学の体験を得られました。」
「今回、産業イノベーション創造演習に取り組んでいく中で実際に企業で働いている人の見方や意見が参考になりました。
 すべてを学生に任せるわけでなく、頻繁に確認をとっていたのが印象に残りました。納期や発表の確認を多くされていたので、
 その部分で社会人と学生の期限に対する意識の差が見られたかなと思います。」
「地元企業と研究のできる貴重な体験であり、実習内容はとても満足のいくものでした。」
「創造演習では、企業の方と密に連絡を取りながら物づくりに取り組むという、なかなか体験できない経験を学生時代に得る
 ことができてとても身になりました。」
「反省点として、コンセプトがなかなか定まらず時間配分が上手くできなかったので、そこを上手くできればより良い物が
 作れたのではないかと考えます。」
等の感想がありました。


 支援をして頂いた企業の皆様、斉藤課長、ありがとうございました。

▲ 講演される文科省・斉藤課長

▲ 講演される文科省・斉藤課長

▲ 発表する学生のチーム

▲ 発表する学生のチーム

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