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静岡大学学生ボランティア活動−外国人児童・生徒等への学習支援−


 私たちは、静岡大学の学生や大学院生らで構成された、外国人児童・生徒らに対して日本語学習・教科学習等を支援しているボランティア団体です。
 2006年に静岡大学と静岡市教育委員会との協働のもと組織が立ち上がり、学生たちが学校現場に入って市内小学校に通う外国人児童らに日本語や教科学習等の支援を行うようになりました。発足当初は、10名ほどの学生がそれぞれの支援活動を行っていましたが、2007年1月に参加学生たちが集まって協議し、新たに「ONES」という団体名を決めて宣伝活動も開始しました。
 2007年7月現在、ONESの登録学生数は24名です。学習支援の必要な外国人児童生徒らが在籍する市内の小中学校が、静岡市教育委員会に支援要請を行い、その後大学の担当教員のもとに連絡が入って最終的に学生の派遣が決定されます。学生たちはそれぞれが担当する子どもを決め、彼らが在籍する小中学校へ週1〜2回通って日本語学習や教科学習をサポートしています。現在は静岡市内合計7校の小中学校で支援活動を行っています。子どもたちの主な出身国・関連国は、ブラジルをはじめ、中国、フィリピンなどです。学生ボランティアメンバーの中には中国からの留学生(院生)もおり、中国出身児童生徒に対する支援では、中国語を駆使しながら活躍しています。

通称名ONESとは
 私たちの考える「ONES」とは、「自立と共生」を意味します。子どもにとって「自立する」ことは大切ですが、外国人の子ども、日本人の子ども、周囲の大人が「共生する」ことも重要です。子どもが「一人で立つ」ことと、「一人ではなく皆と共生する」ことは矛盾しているようですが、この両者が大切なのではないでしょうか。ONESという名前は、「1」を複数形にすることでその矛盾を表しています。「一人」が大切、でも「一人ではない」のです。
 また、このほかにも「1」はさまざまな意味を含んでいます。
・ 一歩一歩確実に日本語が上手になること、成長していくこと。
・ “everyone”ということばに表される “one”のように、皆平等で一緒であって、そのみんなの中の一人であること。
・ 一人一人がそれぞれ違うことも大切であり、誇るべきことであること。
 そして、外国人の子どもたちが日本で生きていくために「自立する」ことを手助けすること、子どもたちがクラスメイトや周りの子どもや大人たちと「共生していく」ための環境をつくること、子どもの力を一歩一歩伸ばしていくこと、子どもそれぞれの違いや多様性を活かすこと。こういったことが私たち学生ボランティアにできることなのではないかと、ONESのメンバーは考えています。

ONES隊員の主な活動
 ONES隊員(メンバー)は、週1〜2回、市内小中学校へ出向き、「取り出し」や「入り込み」という形態で支援を行っています。
 「取り出し」の支援とは、在籍学級からはなれて別の場所で日本語学習や教科学習の支援を行い、児童・生徒の学習を強化していくことです。校長先生や担任の先生と相談し、取り出し支援が必要という判断になれば、1〜2時間程度、別の場所に移動して個別の支援を行います。取り出し支援の内容は、担当する子どもの状況によって様々です。日本語学習や算数等の学習支援はもちろんのこと、場合によっては、子どもが苦手なもの(例えば子どもの出身国でリコーダーをやったことがなく、音楽の授業についていけない場合にはリコーダーの練習を行う等)を支援したり、担当の子どもとクラスメイトとのつながりをつくるために、クラスメイトへの手紙を書いたりするなど、子どもにとって今一番必要だと思われることを取り出し支援で行います。学生はその時間を有効に使うために、必ず授業案を予め作成し、しっかりと準備をしていくよう心がけています。
 「入り込み」の支援とは、日本語の力が不十分な外国人児童生徒らが、在籍クラスの中で授業を受けている間、隣で分かりやすく説明したり、その場その場で必要な日本語を教えたりするなど、授業内容を学習する際の手助けをすることです。例えば、社会科などで出てくる難しい用語を子どもがわかる言葉ややさしい日本語で説明したり、クラスメイトや先生に話しかけるきっかけとなる日本語表現を教えたりしています。日本語の力が不十分な子どもたちは、授業がわからないままその時間が過ぎてしまったり、言いたいことがあっても日本語での表現の仕方がわからず我慢せざるを得なかったりします。しかし、ボランティア学生がずっとクラスの中に入り込むことによって、隣でいろいろなことを教えてもらえたり、分からないことをすぐに質問できたり、クラスメイトも巻き込んでいっしょに仲良く遊んでもらえたりできます。
 このように、ボランティア学生たちは、当該児童生徒らにとって非常に心強い存在・心の拠りどころになっているものと考えられます。入り込み支援も、外国人児童生徒らの不安を少しでも取り除くことができる、重要な支援であると思います。

ONES隊員勉強会
 ONESのメンバーは、週に一度、勉強会を行っています。個々の支援活動について報告しあい、解決すべき課題についていっしょに考えたり、活動における悩みを打ち明けたりする場となっています。メンバーはそれぞれが別々の学校で、異なる曜日・時間帯に活動を行っていることが多く、こうして会う機会を作らない限り、ほとんど顔を合わせることができません。しかし、メンバー内で同じ子どもの支援を引き継ぐこともあるため、メンバー同士が常に横のつながりを持てるよう努力することは非常に大切です。そして、何より子どもにとってより良い支援を展開するためにも、メンバー同士でそれぞれの経験や実践例(例えば、効果があった日本語学習のアクティビティや自作教材等)、支援の悩みなどについて語り合っています。週1回のこの勉強会は、支援に対する考えが深まり、自身の活動にも反映させることのできる、とても貴重な時間となっています。



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