【第141回 2020.12.07】

家庭教育について思う

投稿者:山田 幸男(昭和46年 教育学部小学校教員養成課程卒,静岡大学教育学部同窓会 会長)

 家庭教育について少しばかり。

 

 数年前に勤務していた職場で、家庭での教育に、より一層の関心を持っていただこうと、保護者の方々に標語を募集しました。

 家庭教育に触れるのは、何かタブーのようなところがあり、マスコミも行政もあまり関わってこなかったような気がしています。勿論、ことがことだけに、それはそれで十分理解できるところではありますが、もとより教育は学校教育だけで完結するものではありません。

 学校・家庭・地域が一体となってあたっていくものであることは、異論のないところですが、その家庭教育に、難しいことではありますが、私たちはもう少しスポットを当てていきたいものです。

 

 さて、前置きが長くなりましたが、印象に残った標語の一つを紹介します。

 

『 感じとる 大きな声の“ただいま”を、小さな声の“ただいま”を 』

 

 これは、孫娘を思うおばあちゃんの作品です。この標語によせるおばあちゃんのコメントがまたすてきでした。併せて紹介します。

 

「中1の孫が帰ってくるなり、一日の出来事を楽しそうに話してくれます。元気のない声の時は、そっと見守っています。」

 

 この標語やコメントから、みなさんはどんなことを思われたでしょうか。

 毎日の暮らしの中に、それこそすばらしい教育の機会が潜んでいると、私はあらためて感じさせられました。

 大袈裟かもしれませんが、おばあちゃんの標語は“教育の原点”を示唆してくれているような気がしました。益々社会が複雑・多様化してきています。それぞれの立場から家庭教育を応援していきたいと思うこのごろです。

 

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