共焦点走査型レーザー顕微鏡:TCS SL(ライカ)
設置場所:遺伝子実験施設4階顕微鏡室
機器類利用料(半期):7,000円(学内)
共焦点レーザー顕微鏡は試料の蛍光を共焦点ピンホールを通すことにより、試料の任意の深さから断層像を得ることができるとともに、一定の間隔で垂直方向に焦点面をずらし、連続断層像をコンピュータ処理することによって試料蛍光の局在を3次元構築することが可能な顕微鏡である。
本機は従来のフィルタ方式ではなくプリズム分光スリット方式を採用しているため、フィルタ方式に比べて蛍光のロスがない。しかも、使用する蛍光色素のエミッションに合わせて最適な検出波長を選択でき、様々な蛍光色素に対応できる。さらに高い精度で蛍光分離が行えるため、接近した多重染色でも同時取得が可能である。
遺伝子実験施設では、正立顕微鏡と倒立顕微鏡の両方に接続可能なシステムを導入しており、組織切片のような試料と培養細胞や卵細胞などの生体試料の両方で観察可能である。
【仕様】
励起波長:
Arレーザー 458nm(CFP)、488nm(FITC、GFP、Alexa488)、514nm(YFP)
GreenHeNeレーザー:543nm(Alexa543、Cy3)
RedHeNeレーザー:633nm(Cy5、TOTO3)
検出波長:400nm~850nmの間で設定可能
顕微鏡:正立顕微鏡 DMRB/E、対物レンズ:10×、20×、40×、63×
倒立顕微鏡 DMIRB/E、対物レンズ:10×、20×、40×、63×
最大取得画素数:2,048×2,048画素
パソコン:Windows XP、記録メディア:CD-R、フロッピーディスク、MO
出力:ピクトログラフィー3500(富士フィルム)
アプリケーション:共焦点画像の取得・3次元構築、タイムラプス観察、蛍光スペクトル観察
【使用上の注意】
・レーザー、蛍光用水銀ランプ等の消耗品費として1時間あたり400円の使用料を負担していただきます。使用時間は水銀ランプの点灯時間で計算しますので、ランプスイッチのカウンターに表示される使用積算時間を使用記録簿に記録してください。
・申請の際には正立顕微鏡、倒立顕微鏡のどちらを使用するかを明記してください。それに合わせてスキャンヘッドを取り付けておきます。ただし、前日の利用者の都合等でスキャンヘッド取り付けが当日になる場合がありますので、使用は午前10時以降に限らせていただきます。
・解析のみの利用の場合にも利用申請を行ってください。ただし、解析のみの場合には使用料はかかりません。
・Arレーザーは非常に高価です。以下の点に注意して使用してください。
1.Arレーザーのキースイッチは必ずレーザーのファンを回した状態でONにしてください。
2.画像を取り込むときはLEVELダイヤルを9~10時の位置に上げてください。30分以上画像の取込みをしない場合にはLEVELをMINのポジションにしてください。
3.2~3時間席を離れる場合でも、レーザーは切らないでください。
4.レーザーを切る場合にはLEVELをMINの状態にしてから切ってください。
5.レーザーOFF後、ファンから出る空気が室温に戻ったことを確認してから(5~10分後)ファンを切ってください。
・操作画面の設定や各利用者が登録した蛍光検出波長域の設定などは絶対に変更しないでください。
・データはハードディスクドライブD内のDataファイル内に各研究室のフォルダを作成してその中に保存してください。ただし、ハードディスク内のデータは不定期に消去しますので、こまめにMOあるいはUSBフラッシュメモリーにコピーしてください。
・取り込んだ画像はピクトログラフィーでプリントすることができます。プリント料金は受益者負担となり、A4が200円、A5が100円です。
・油浸レンズ(63倍)には備え付けのオイルを使用してください。倒立顕微鏡の場合にはオイルの量は少量(1滴)にしてください。オイルが多いとレンズを伝って機器内部に入り込み、故障の原因となります。
・オイルを使用した場合には、必ず備え付けのレンズクリーニング液(エーテル:エタノール=7:3)とレンズペーパーを使用してレンズをクリーニングして下さい。
・蛍光用超高圧水銀光源は点灯後、30分間は消灯しないでください。また、再点灯する場合には、消灯後1時間以上経過してから点灯してください。また、2時間以上使用しない場合には消灯してください。
・ランプハウスは非常に高温になるため、ビニールのカバーをかぶせるときにはランプハウスが充分冷えていることを確認してください。
共焦点走査型レーザー顕微鏡のシステム変更(平成18年4月26日)
変更点1
パソコンのOSをWindows XPに変更しました。
それに伴ってUSBフラッシュメモリーがご使用いただけるようになりましたので、簡単にデータをコピーすることが可能になりました。
また、ハードディスクの容量が大きくなりましたので、これまで以上にデータの蓄積が可能になります。ただ、空き容量が少なくなると動作が不安定になる可能性がありますので、これまで通りデータはこまめにバックアップし、ハードディスク内に長期間放置することがないようにして下さい。
変更点2
蛍光の光源を50W水銀ランプから120W超高圧水銀光源に変更しました。今回の光源は正立顕微鏡と倒立顕微鏡で共用になります。
これにより、蛍光を従来の約2倍の明るさで観察することができるようになりました。また、光量を5段階で調整することができますので、退色や生細胞へのダメージを抑えた蛍光観察が可能です。
注意点
・「Intensity」ダイヤルが最少(一番上)になっていることを確認して電源をONにして下さい。
・電源を切る際には「Intensity」ダイヤルを最少にしてから切るようにして下さい。
・シャッターは常にopenのままにしておいて下さい。
・使用記録簿にはカウンターに表示されている時間をお書き下さい。また、赤いリセットボタンは絶対に押さないようにして下さい。