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DNA自動分離装置:PI-50α(クラボウ)

 設置場所:遺伝子実験施設3階遺伝子保存室
 機器類利用料(半期):1,800円(学内)



 DNA自動分離装置PI-50aは、自動運転によりプラスミドDNA、植物DNA、酵母DNA、マウステールDNAを精製することができる装置である。4種類のプロトコールを搭載し、1度に最大48サンプルまで処理することが可能である。大腸菌培養液からプラスミドDNAを抽出する場合、24サンプルを約2時間で処理できる。ただし、DNAシーケンシングを行うためには、PEG沈殿などの後処理が必要となる。

プロトコール別処理内容
プロトコール名 精製法 サンプル量
プラスミドDNA 改変アルカリ法 0.5-3.0ml
酵母DNA(YAC) 改変フェノール法 0.9ml
植物DNA 改変CTAB法 100-300mg
マウステールDNA 改変フェノール法 10-30mg



【仕様】
 分離方式:遠心方式
 架数:6連チューブ×4本架け
 サンプル数:12サンプルまたは24サンプル
 最大セットサンプル数:48サンプル


【使用上の注意】
・チューブユニット(クラボウ:PT-5000 6連192サンプル;標準価格11,500円)は各研究グループでご用意下さい。

・1度にDNAを抽出できる最少サンプル数は12サンプルです。これよりも少ない場合には空いているチューブには同量の水を入れてバランスを取って下さい。

・空いているチューブに水を入れた場合にも試薬は使用されてしまうので、1回の操作で12サンプル分の試薬代を負担していただきます。1サンプルあたりの試薬代は以下の通りです。
 プラスミド:60円(1回の操作で60円×12=720円)
 植物DNA:80円(1回の操作で80円×12=960円)
 酵母YAC :70円(1回の操作で70円×12=840円)
 マウステール:70円(1回の操作で70円×12=840円)

・廃液は使用するたびに各自で機械のそばにおいてある廃液用ポリタンクに捨てて下さい。


DNA自動分離装置PI-50a試薬の交換方法について(ROM VERSION 1.40)
1)電源をONにする。
2)システムを選択する。
3)MODE SELECTで、4.MANUALを選択する。
4)システムチェックが開始される。
5)システムチェック終了後、2.DISPENSERを選択する。

送液系1の交換例
1) 送液系1にセットされているボトルのキャップをはずし、ボトルよりチューブを取り出す。
2) テンキーを用いて、DESPENSER No.1を選択、9.99mlを入力し、廃液操作を行う。(空気がシリンジ内に入り、シリンジ内の試薬が排出される)
3) チューブを滅菌蒸留水の入ったボトル内に入れ、数回~十数回、廃液操作を行い、チューブ内を蒸留水で共洗いする。(試薬によっては、70%エタノールによりあらかじめ洗浄し、さらに蒸留水により洗浄する必要がある)。
4) チューブを滅菌水よりはずし、9.99mlの廃液操作を行う。2回程度繰り返す。
5) 付け替えるボトルをセットし、2~3回程度9.99mlの廃液操作を繰り返す。
6) 交換が必要な他の送液系について同様の操作を行う。
7) エスケープキーを用いて前画面に戻る。
<ボトル交換用の滅菌水と70%エタノールはこちらが用意したものを使って下さい。これらはボトル交換が必要ないずれのケースにおいても共用するので、極力、試薬液の混入を防ぐために、ボトル交換時にラインをボトルからはずしたあと、必ず最初にキムワイプでラインの表面を拭き取るようにしてください。>

【植物→プラスミドの場合】
送液系1 植物用試薬3(SR-3025)は高濃度酢酸カリウム溶液のため、蒸留水で5回程度洗浄を繰り返す。プラスミド用の試薬1に付け替え、廃液操作を2~3回行う。
送液系2 植物用試薬1(SR-1050)は高濃度界面活性剤であるため、泡が無くなるまで蒸留水で洗浄する。プラスミド用の試薬に付け替え、廃液操作を2~3回行う。
送液系3 植物用試薬2(SR-2050)はクロロホルムであるため、取り外した後、70%エタノールをまずセットし、数回洗浄が必要。クロロホルムをアルコールと溶解混合させ、シリンジから除く。いきなり水で洗うとクロロホルムの比重が重いため、いつまでもクロロホルムが残る。70%エタノールによる洗浄後、プラスミド用試薬に付け替え、3回程度廃液操作をする。
送液系4&5 植物DNAとプラスミドでは同一試薬を使うため変更しなくてよい。
送液系6 基本的に同組成の試薬とセットするため、洗う必要はない。

【プラスミド→植物の場合】
送液系1 蒸留水で3回程度洗浄後、植物用試薬3をセットし、2~3回廃液操作を行う。
送液系2 蒸留水で数回洗浄。植物用試薬1をセットし、2〜3回廃液操作を行う。
送液系3 蒸留水で5回程度洗浄してから、植物用試薬2をセットし、2~3回廃液操作を行う。
送液系4&5 共通のため変更不要
送液系6 基本的に同組成の試薬をセットするため、洗う必要はない。

【植物→酵母(YAC)の場合】
送液系1 酵母用試薬1は装置外で使用する。洗浄の場合植物用試薬3(SR-3025)は酢酸カリウム溶液であるため、蒸留水で洗浄しておく。
送液系2 酵母用試薬2は装置外で使用する。洗浄の場合植物用試薬1(SR-1050)が高濃度界面活性剤であるため、泡が無くなるまで蒸留水で洗浄する必要がある。
送液系3 植物用試薬2(SR-2050)はクロロホルムであるため、取り外した後、70%エタノールをまずセットし、数回洗浄が必要。クロロホルムをアルコールと溶解混合させ、シリンジから除く。いきなり水で洗うとクロロホルムの比重が重いため、いつまでもクロロホルムが残る。70%エタノールによる洗浄後、フェノール試薬(NR-3025)に付け替え、3回程度廃液操作をする。
送液系4&5 共通のため変更不要
送液系6 同組成の試薬をセットするため、洗う必要はない。

【酵母(YAC)→植物の場合】
送液系1 試薬がセットされている場合、セットされているプロトコールを参照し、洗浄。洗浄後、植物用試薬3をセットし、3回程度廃液操作を行う。
送液系2 試薬がセットされている場合、セットされているプロトコールを参照し、洗浄。洗浄後、植物用試薬1をセットし、3回程度廃液操作を行う。
送液系3 70%エタノールで3回程度洗浄してから、蒸留水で2回程度洗浄後、植物用試薬2をセットし2~3回廃液操作を行う。
送液系4&5 共通のため変更不要
送液系6 同組成の試薬をセットするため、洗う必要はない。

【プラスミド→酵母(YAC)の場合】
送液系1 酵母用試薬1は装置外で使用する。プラスミド用試薬1をはずし、蒸留水で3回程度廃液操作を行う。
送液系2 酵母用試薬2は装置外で使用する。プラスミド用試薬2をはずし、蒸留水で3〜5回程度廃液操作を行う。界面活性剤の泡がなくなることを確認する。
送液系3 プラスミド用試薬3を取り外し、フェノール試薬に付け替え、2〜3回廃液操作を行う。
送液系4&5 共通のため変更不要
送液系6 同組成の試薬をセットするため、洗う必要はない。

【酵母(YAC)→プラスミドの場合】
送液系1 試薬がセットされている場合、セットされているプロトコールを参照し、洗浄。洗浄後、プラスミド用試薬1をセットし、2~3回廃液操作を行う。
送液系2 試薬がセットされている場合、セットされているプロトコールを参照し、洗浄。洗浄後、プラスミド用試薬2をセットし、2~3回廃液操作を行う。
送液系3 フェノール試薬を取り外し、プラスミド用試薬3をセットし2~3回廃液操作を行う。
送液系4&5 共通のため変更不要
送液系6 同組成の試薬をセットするため、洗う必要はない。

【植物→マウスの場合】
送液系1 マウスでは使用しない。洗浄の場合蒸留水で5回程度廃液操作を繰り返す。
送液系2 マウスでは使用しない。洗浄の場合、植物用試薬1(SR-1050)が高濃度界面活性剤であるため、泡が無くなるまで蒸留水で洗浄する必要がある。
送液系3 植物用試薬2(SR-2050)はクロロホルムであるため、取り外した後、70%エタノールをまずセットし、数回洗浄が必要。クロロホルムをアルコールと混合洗浄させ、シリンジから除く。いきなり水で洗うとクロロホルムの比重が重いため、いつまでもクロロホルムが残る。70%エタノールによる洗浄後、フェノール試薬(NR-3025)に付け替え、3回程度廃液操作をする。
送液系4&5 ボトルをはずし、ボトル未セットで廃液処理を行い、空気を送る。新しい試薬をセットし、3回程度廃液操作を行う。
送液系6 基本的に同組成の試薬。(pHのみ異なる)特に洗う必要はない。

【マウス→植物の場合】
送液系1 試薬がセットされている場合、セットされているプロトコールを参照し、洗浄。洗浄後、植物用試薬3をセットし、3回程度廃液操作を行う。
送液系2 試薬がセットされている場合、セットされているプロトコールを参照し、洗浄。洗浄後、植物用試薬1をセットし、3回程度廃液操作を行う。
送液系3 セットされている試薬を取り外し、蒸留水で5回程度洗浄してから、植物用試薬2をセットし、2~3回程度廃液操作を行う。
送液系4&5 ボトルをはずし、ボトル未セットで廃液処理を行い、空気を送る。新しい試薬をセットし、2~3回程度洗浄。
送液系6 基本的に同組成の試薬。(pHのみ異なる)特に洗う必要はない。

【プラスミド→マウス】
送液系1 マウスでは使用しない。試薬をはずし、蒸留水で3回程度洗浄する。
送液系2 マウスでは使用しない。試薬をはずし、蒸留水で5回程度洗浄する。泡が出なくなるまで行うのが望ましい。
送液系3 プラスミド用の試薬をはずし、マウス用のフェノール試薬(NR-3025)に付け替える。2~3回廃液操作を行う。
送液系4&5 ボトルをはずし、ボトル未セットで廃液処理を行い、空気を送る。新しい試薬をセットし、2~3回程度廃液操作を行う。
送液系6 基本的に同組成の試薬。(pHのみ異なる)特に洗う必要はない。

【マウス→プラスミド】
送液系1 試薬がセットされている場合、セットされているプロトコールを参照し、洗浄。洗浄後、プラスミド用試薬1をセットし、2~3回程度廃液操作を行う。
送液系2 試薬がセットされている場合、セットされているプロトコールを参照し、洗浄。洗浄後、プラスミド用試薬2をセットし、2~3回程度廃液操作を行う。
送液系3 フェノール試薬を取り外し、プラスミド用試薬3をセットし、2~3回廃液操作を行う。
送液系4&5 ボトルをはずし、ボトル未セットで廃液処理を行い、空気を送る。新しい試薬をセットし、3回程度廃液操作を行う。
送液系6 基本的に同組成の試薬。(pHのみ異なる)特に洗う必要はない。

【酵母(YAC)→マウス】
送液系1 マウスでは送液系1は使用しない。
送液系2 マウスでは送液系2は使用しない
送液系3 共通の試薬を使用するため、変更不要
送液系4&5 ボトルをはずし、ボトル未セットで廃液処理を行い、空気を送る。新しい試薬をセットし、3回程度洗浄。
送液系6 基本的に同組成の試薬。(pHのみ異なる)特に洗う必要はない。

マウス→酵母(YAC)
送液系1 酵母用試薬1は装置外で使用する。
送液系2 酵母用試薬2は装置外で使用する。
送液系3 共通の試薬を使用するため、変更不要
送液系4&5 ボトルをはずし、ボトル未セットで廃液処理を行い、空気を送る。新しい試薬をセットし、3回程度洗浄。
送液系6 基本的に同組成の試薬。(pHのみ異なる)特に洗う必要はない。


メーカー連絡先
倉敷紡績(株)バイオメディカル部 東京支社
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町2-7-1
担当:小谷 昇
TEL:03-3639-7077 FAX:03-3639-6998