ウメ遺伝子の大腸菌における発現
大腸菌で発現させるための発現ベクターに、ウメの傷害ストレス応答性の転写制御因子を組込んで作成した組換え体プラスミドを導入した形質転換大腸菌は、細胞の中でウメのタンパクを作るように生まれ変わります。
こうした発現にはIPTGという誘導物質が必要であり、培地の中にIPTGを入れて培養した大腸菌(IPTG+)に含まれる全てのタンパクを抽出してSDS・PAGE電気泳動により観察すると、図では赤三角で示されるウメ由来のタンパクが生成していることがわかります。それに対して培地にIPTGを入れずに培養した大腸菌(IPTG-)では、このタンパクの蓄積が見られません。また、ウメの遺伝子とは異なる遺伝子を発現させた大腸菌(一番左:縦の点線の左)では、IPTGを培地に添加することにより、緑三角で示す別のタンパクが生成していることがわかります。