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学長メッセージ

自由で多様性に満ちた教育・研究の場としての静岡大学をめざして

石井学長 本学の理念「自由啓発・未来創成」は、昭和初期の「暗い時代」直前の大正自由教育の溌剌(はつらつ)とした気風の下で黎明期を迎えた本学が、そのような気風の継承・発展の上に立ち、全学の教職員、学生が手を携えて、希望に満ちた未来を創り上げていこうとする意思を明示したものです。私は、このような理念の下で、本学を自由闊達で多様性に満ちた教育・研究の場へと発展させていくことが、常に学長としてのすべての仕事の基盤とならなければならないと考えています。

 グローバル化と科学技術の急速な発展の下での知識社会化の進展に伴い、我々の社会はあらゆる側面での絶えざるイノベーションを求められており、大学は社会のなかでこのようなイノベーションを担う中核的な役割を果たすことを期待されています。そしてイノベーションの背景にある斬新な発想や失敗を恐れず様々な課題に挑戦する気概は、自由を尊重し多様な文化や思想を積極的に受入れようとする環境の下でのみ生み出されるものであり、窮屈な統制や一元的な命令の下では窒息させられるしかありません。 

 福沢諭吉は『文明論之概略』のなかで、「文明」とは「人間交際」の深化・発展であって、科学技術それ自体ではないと言っています。明治期の日本人たちは欧米の進んだ科学技術を目の当たりにし、それに圧倒されることも多かったのですが、福沢は科学理論にせよ、武器や蒸気機関車にせよ、科学技術それ自体は本を読んだり設計図を手に入れたりすればやがて身につけることができるのだからそんなものに恐れ入る必要はない、もっと重要なのは、そのようなすぐれた科学技術を生み出した社会の在り方、人間の生き方なのであり、その根底にあるのが活発な「人間交際」を通じて、諸個人がそれぞれの自由な発想をぶつけ合いながら絶えずイノベーションを生み出して行く「文明」社会なのだと主張するのです。

 国立大学は今確かに、予算的制約や様々な形での厳しい社会的「評価」にさらされ、自由な発想に基づく研究や教育に積極的に取組もうとする意欲を大学の全構成員が共有することが難しくなっています。しかし大学が福沢的な意味での社会全体の「文明」化の起点であろうとする姿勢を失ってしまっては、日本の社会に未来はありません。学長として全学の教職員・学生諸君と手をたずさえて、静岡大学が豊かな「人間交際」の場として少しでも前進できるように力を尽くして行きたいと考えています。

平成29年4月1日
国立大学法人静岡大学長
石井 潔

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