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TEL. 054-238-4926

〒422-8529 静岡県静岡市駿河区大谷836

静岡大学 静岡共同利用機器センター ゲノム機能解析部
 Functional Genomics Section, Shizuoka Instrumental Analysis Center

TOF-MS(ブルカーダルトニクス:autoflex)

設置場所:遺伝子実験施設3階 大型機器室1
機器類利用料(半期):15,000円(学内

 
TOF-MSとは、飛行時間型質量分析装置(Time-of-flight mass spectrometry)の略称であり、イオン化された試料を電場によって加速して一定距離を飛行させ、その飛行時間を測定することで分子量を求める装置である。一般に、TOF-MSの特長はメンテナンスや試料調製の容易さ、測定のスループットや感度の高さにあると言われている。
 本機は試料のイオン化に2002年のノーベル化学賞受賞者である田中耕一氏によってその原理が発見されたMALDI法(Matrix-assisted laser desorption/ionization)が用いられている。MALDIはターゲットプレート上に塗布した試料とマトリックスの混合物にレーザーを照射することによって脱離、イオン化させる方法である。イオン化された試料は電場によって加速され、小さい分子量のイオンは速く、大きい分子量のイオンは遅く飛行するため、リニア検出器でイオンを検出することで飛行時間を測定し、飛行時間から換算して分子量を求めることができる(リニアモード)。また、高分解能での測定を可能にするためにリフレクトロンを用いてイオンを反射させ、イオンの時間分布を収束させてリフレクトロン検出器で検出する方法も用いられている(リフレクトロンモード)。また、イオン化時の過剰エネルギーを内部エネルギーとして蓄えたイオンが加速された後に自己開裂するポストソース分解(PSD)測定を行うことによって、タンパク質のアミノ酸配列を読み取ることも可能である。ただし、この測定にはそれなりの時間と手間が必要であり、ハイスループットでの測定は困難である



【仕様】
測定可能物質:タンパク質、ペプチド、アミノ酸、糖、核酸、芳香族化合物、ポリマー等
測定可能範囲:1~1,000,000Da
推奨測定範囲:リニアモード 4,000FWHM以上、リフレクトロンモード 12,000FWHM以上
測定精度:内部標準 15ppm、外部標準 50ppm
感度:100amol (AnchorChip使用時)
パソコン:Windows2000英語版
ソフトウエア:FLEX Control(測定)、FLEX Analysis(解析)、Biotools(プロテオミクス支援ツール)、RapiDenovo(アミノ酸配列解析)

【使用上の注意】
・使用後は備え付けの使用記録簿に必要事項をご記入下さい。サンプルターゲットの欄には下記を参照して使用したサンプルターゲットの番号をお書き下さい。
 1.One-piece Aluminum Target including transponder technology (製品番号26755)
 2.Target Plate including transponder,stainless steel,polished(製品番号209520)
 3.AnchorChip(384Anchors,600mm Diameter)(製品番号209513)
 4.AnchorChip(384Anchors,four differrent Diameter)(製品番号209515)
これら以外のものをご利用になりたい場合には、各研究室でご用意ください。

・機器の使用に際しては、窒素ガスや洗浄用メタノール、サンプルターゲット等の消耗品費を受益者に負担していただきます。負担額は1回の利用につき600円です。アンカーチップを使用した場合には、さらに500円が加算されます。(上記の金額は平成23年度4月現在のものです。使用状況等により変更する場合がございますのでご了承下さい。)

・使用後はパソコン、モニタ、プリンタの電源のみ切ってください。本体の電源は絶対に触らないで下さい。

・本体にもサンプルターゲットのイジェクトボタンがありますが、イジェクトはソフトウエア上で行うようにして下さい。

・測定パラメータを変更したときには必ずパラメータの名前を変えて保存して下さい。保存はDドライブのdataフォルダに使用者名+利用責任者の内線番号(例:dohra6354)という名前のフォルダを作成してその中に保存して下さい。測定データもこのフォルダに保存するようにして下さい。

・データはハードディスクにいったん保存してからCD-RWまたはDVD-ROMに保存して下さい。ハードディスク内のデータは不定期に消去しますので、ご注意下さい。

・サンプルターゲットは非常に高価です。傷をつけたりしないよう、注意して使用して下さい。使用したサンプルターゲットは講習会でお配りしたプリントの手順に従って備え付けのアセトン、メタノール、超音波洗浄器を使用して洗浄し、窒素ガスで水気を飛ばした後、デシケーターで保管してください。特にアンカーチップはデリケートですので、アンカーチップのマニュアルを参照して注意して使用して下さい。

・ターゲットがサンドイッチタイプの物は確実に上下が三ケ所で接している事を確認しAutoFlexに入れてください。

・ターゲット出し入れ時、Ejectボタンを押した後はターゲットが中に入るまでなるべく他の操作は避けて下さい。(他のソフトウエアも操作しないで下さい。)

【重要】
・Spectrometerタブの中のPolarityのPsitive/Negative切り替えボタンは押さないで下さい。

・Negativeモードを使う時は、Positiveモードを最初に立ち上げ、Spectorometerタブの中のHighVoltageのボタンをOFFにし、電圧が落ち着いたことを確認後、NegativeのMethodを立ち上げて下さい。(Negative→Positiveも同様にして下さい。)

・Negativeモード使用後は、Positiveモードに戻してからFlexControlを終了して下さい。

・上記3点を守らなかった場合、内部の部品が故障する恐れがあります。その部品代と修理代で60万円を超えますのでご注意下さい。

・こちらで用意している試薬等は以下の通りです。受益者負担でお使いいただくこともできますので、お問い合わせください。
 1.α-Cyano-4-hydroxycinnamic acid (CHCA) (製品番号201344)  1本(200mg) 5,000円
 2.Sinapinin acid (SA) (製品番号201345) 1本(200mg) 10,000円
 3.2,5-Dihydroxybenzonic Acid (DHB) (製品番号201346) 1本(200mg) 1500円
 4.Peptide calibration standard (製品番号206195) 1本(125μl分) 7,000円
 5.Peptide calibration standard Ⅱ(製品番号222570) 1本(125μl分) 9,000円
 6.Protein calibration standard Ⅰ(製品番号206355) 1本(125μl分) 7,000円
 7.Protein calibration standard Ⅱ(製品番号207234) 1本(125μl分) 7,000円
 8.ミリポア社製ZipTipシリーズ

   96本  24本  8本
 ZipTip μC-18  16,000円(167円/本)  5,250円(219円/本) 2,000円(250円/本) 
 ZipTip C-18    5,250円(219円/本)  2,000円(250円/本)
 ZipTip C-4    5,250円(219円/本)  2,000円(250円/本)
 ZipTip MC    7,000円(292円/本)  2,600円(352円/本)
 ZipTip SCX    7,000円(292円/本)  2,600円(352円/本)


国立大学法人 静岡大学
遺伝子実験棟
Gene Research laboratory of Shizuoka University

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836 Ohya, Suruga-ku, Shizuoka 422-8529, Japan

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