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静岡大学 社会連携シーズ

温泉微生物を用いた水素生成バイオリアクターの開発

温泉微生物を用いた水素生成バイオリアクターの開発

キーワード

新エネルギー、水素ガス、水素社会、カーボンニュートラル、非火山性温泉、温暖化防止対策

研究内容

 静岡県中西部から紀伊半島南部、四国南部、九州南部、沖縄本島の太平洋側の地域は、“付加体”と呼ばれる厚い堆積層(四万十帯)からなります。これらの堆積層の深部帯水層には、地熱によって温められた地下水(非火山性温泉)と天然ガス(温泉メタン)が大量に蓄えられています。さらに、北海道、秋田県、山形県、新潟県、東京都東部、千葉県といった地域も厚い堆積層からなり、それらの深部帯水層にも地下水と天然ガスが蓄えられています。我々は、これらの堆積層からなる地域に構築された温泉用掘削井を介して温泉水を採取し、各種化学分析、微生物群集の嫌気培養、遺伝子解析を実施しました。その結果、(1)温泉水には有機物を分解してH2とCO2を生成する水素発生型発酵細菌とH2とCO2からメタンを生成する水素資化性メタン生成菌が多く含まれていること、(2)これらの微生物群集が共生してメタンを生成していることを明らかにしました。
 現在、非火山性温泉に含まれる微生物群集に有機廃棄物を添加して、水素ガスおよびメタンを生成するバイオリアクターを開発しています。特に、温泉水に含まれる水素発生型発酵細菌を用いた水素ガス生成リアクターの開発を進めています。さらに、水素発生型発酵細菌と水素資化性メタン生成菌を共生させるメタン生成バイオリアクターの開発にも取り組んでいます。

社会連携に向けたアピールポイント

◆特筆すべき研究ポイント
 再生可能エネルギーとして注目されている風力発電や太陽光発電は、季節や天候に左右されるという欠点があります。一方、堆積層の深部帯水層に由来する非火山性温泉および温泉メタンの湧出量は季節変動することはなく、非常に安定してエネルギー資源を回収することができます。また、堆積層の深部帯水層に由来する温泉中の微生物群集は高い活性を有しており、培養後数日で水素ガス生成およびメタン生成を開始できます。
 我々は、リアクターの培養温度を変化させることによって、水素発生型発酵細菌と水素資化性メタン生成菌を共生させる培養系(メタン生成)および水素資化性メタン生成菌の増殖を特異的に阻害し、水素発生型発酵細菌のみを増殖させる培養系(水素ガス生成)を構築する技術を開発しました(特許第7219977号)。

◆関連する特許
 特許第6453386号、 PCT/JP2012/0075535、特許第7219977号、 PCT/JP2019/007354、 特願2020-052932

SDGs目標

年度

2026~

関連URL

http://kimura-lab.sci.shizuoka.ac.jp/top.html

教員氏名
木村浩之
フリガナ
キムラ/ヒロユキ
所属
学術院理学領域
職名
教授
研究分野
  • 自然科学一般地球生命科学
  • 環境・農学循環型社会システム
  • エネルギー地球資源工学、エネルギー学
e-mail
HP
https://tdb.shizuoka.ac.jp/RDB/public/Default2.aspx?id=10999