【防災総合センター】原田 賢治 准教授が企画に関わった全国初の「津波避難複合施設」 が伊豆市にオープンしました

2024/07/26
ニュース

7月12日(金)、伊豆市土肥(とい)地区に、全国初の観光機能を有した津波避難複合施設「テラッセオレンジトイ※1」がオープンしました。

本施設の設置にあたっては、防災総合センターの 原田 賢治 准教授(津波防災)が、伊豆市津波防災地域づくり推進協議会副会長として、平成28年度から長期間にわたり、指針となる「伊豆市“海と共に生きる”観光防災まちづくり推進計画(第1~第3版)」の策定等に携わりました。※2
土肥地区沿岸部は、平成30年3月に全国で初めて「津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン)/愛称:海のまち安全創出エリア」に指定されており、本施設は、土肥海水浴場前の同地区松原公園に設置されました。

施設は、地上4階建て鉄骨造りで高さは18.8メートル。
1階は地場産品直売所とカフェ、3階にはレストランが併設されており、平常時は観光施設として利用され、災害発生時には観光客や地域住民が安全に避難可能な津波避難タワーとなります。
なお、今回完成した「テラッセオレンジトイ」を代表施設とする「みなとオアシス土肥」が、国土交通省港湾局が認定する「みなとオアシス(全国162カ所目)※3」として登録されました。

オープン当日は、竣工式典や「みなとオアシス」登録証交付式が挙行されたほか、原田 賢治 准教授 や 同推進協議会会長の 加藤 孝明 東京大学教授、施設設計者の 今井 公太郎 東京大学教授 によるトークセッションも開かれ、これまでの観光防災まちづくりの検討過程などについて解説しました。
セッションでは、会場の市民の方から、本事業にかかる議論に参加した際のエピソードが述べられるなど、地域住民の方の防災意識の高さが伺えました。

原田准教授は、静岡県の津波防災地域づくり推進アドバイザー等のほか、同じく伊豆半島にある松崎町の津波防災づくり推進協議会会長も務めており、津波防護ラインの構築等に係る企画立案に携わっています。

 ▼静岡第一テレビ ニュース(2024.7.15)
   https://news.ntv.co.jp/n/sdt/category/society/sd6676644be8694394b09da0ddbcf2b6bc

 伊豆市の位置(伊豆市HPより)

伊豆市の位置(伊豆市HPより)

 ▲津波避難複合施設「テラッセオレンジトイ」外観

▲津波避難複合施設「テラッセオレンジトイ」外観

 ▲施設3階レストラン

▲施設3階レストラン

 ▲竣工式典の様子(菊地豊伊豆市長 のほか、 国土交通省港湾局長や地元選出国会議員等が出席)

▲竣工式典の様子(菊地豊伊豆市長<中央、白バラ胸花>のほか、 国土交通省港湾局長や地元選出国会議員等が出席)

 ▲トークセッションの様子(中央が原田准教授)

▲トークセッションの様子(中央が原田准教授)

 ※1:テラッセオレンジトイの名称に込められた意味-伊豆市ウェブサイトから転載-
  ・「テラッセ」には、① 絶景を楽しめる「テラス」(フランス語)/② 災害時には灯台の様に生命を守り照らせる/③ 伊豆市の観光や未来を照
   らせる/
   また、ひらがな表記の「てらっせ」は土肥の方言の「こらっしゃー」(来なよ)に、「おれんじ」は「おらっち」(私の家)と響きが似てい
   て、「私たちの、土肥にいらっしゃい」という意味も込め、地元の人から親しまれるように。
  ・「オレンジ」には、① 土肥の海に映る美しい夕陽/② “全国初”のオレンジゾーンによる施設/③ 名産のミカンから、暖かいイメージ/
  ・「toi」には、ヨーロッパの「toi toi toi」というおまじないで、幸運を祈る、応援の意味がある。

 ※2:原田准教授の伊豆市における観光防災に係るこれまでの取組み
   伊豆市の津波防災地域づくり推進協議会副会長として、「伊豆市“海と共に生きる”観光防災まちづくり推進計画(第1版:平29.5、第2版:平
  29.12、第3版:平31.4)」の策定に専門家として参画し、地域住民・地域産業・行政が参画した丁寧な議論を積み重ねる検討を進めてきました。
  第3版では、全国初のオレンジゾーン(津波災害特別警戒区域)を指定し、地域の安全対策に積極的に取り組む観光まちづくりを進めるエリアと
  して、「海のまち安全創出エリア」と愛称をつけるなどの取り組みもしてきました。
   さらにこの検討の中で、観光防災まちづくりを多くの地域住民と考える場として「伊豆市“海と共に生きる”観光防災まちづくりをみんなで考え
  る会」を開催し、多くの地域住民と共に観光防災について議論を丁寧に積み重ねており、この取り組みは「ジャパン・レジリエンス・アワード
 (国土強靭化対象)2018グランプリ」として表彰されました。

 ※3:みなとオアシス-国土交通省ウェブサイトから転載-
   地域住民の交流や観光の振興を通じた地域の活性化に資する「みなと」を核としたまちづくりを促進するため、住民参加による地域振興の取り
  組みが継続的に行われる施設として、国土交通省港湾局長が申請に基づき登録するものをいいます。

JP / EN