静岡県熱海市伊豆山で崩落した盛土の一部は多摩川流域から運ばれた
2021年7月3日午前10時30分頃、熱海市伊豆山地区の逢初川源頭部にあった黒色の盛土が崩壊して発生した土石流(以下、熱海土石流)は、逢初川を流下し、大きな被害をもたらしました。
盛土と土石流堆積物に関しては、第一著者の 北村 晃寿(静岡大学防災総合センター)と共同研究者が地球科学的研究を行ない、研究成果の一つとして、黒色の盛土と土石流堆積物は、古生代末期―中生代の放散虫化石を含むチャート岩片を産することから、盛土の一部の土砂の採集地の後背地には層状チャートが分布することを公表しています。
土砂の採集地を特定するために、本研究では神奈川県内の河口や海浜の堆積物を調べました。
その結果、盛土の黒色の土砂と土石流堆積物から検出されたチャート岩片と同時代のチャート岩片が神奈川県多摩川河口の堆積物から検出されました。
これにより、神奈川県内に限定すると、盛土の黒色の土砂の一部は神奈川県東端の多摩川流域から運ばれて来たと推定されます。
この研究成果は、「静岡大学地球科学研究報告」に受理されました。
下記の日時で詳細をご説明いたしますので、取材方よろしくお願いいたします。
なお、当日の説明は北村が行います。概略はプレスリリース資料をご覧下さい。
日時:令和6年8月8日(木) 10:00~
場所:静岡県庁東館10階 社会部記者室
会見者:北村 晃寿(静岡大学)
論文情報
題名:神奈川県内の海浜・河床堆積物の粒子組成の調査 -2021年7月3日に静岡県熱海市伊豆山地区で発生した土砂災害の盛土の採集地の解明の基礎資料として-
誌名:静岡大学地球科学研究報告, 51号.
著者:北村 晃寿1*,2,山下 裕輝3,堀 利栄4,森 英樹5
https://doi.org/10.51053/shizuoka.51.0_57
1:静岡大学理学部地球科学科,2:静岡大学防災総合センター,3:静岡大学大学院総合科学技術研究科,4:愛媛大学大学院理工学研究科,5:静岡大学技術部
*Corresponding Author
お問い合わせ先:
静岡大学理学部地球科学科・防災総合センター
北村 晃寿
TEL:054-238-4798
E-mail:kitamura.akihisa[at]shizuoka.ac.jp
※[at]を@に変更してご利用ください。