【防災総合センター】増澤 武弘 客員教授 が 南アルプスユネスコエコパーク 10周年記念大会で講演しました
南アルプスユネスコエコパーク10周年記念大会が、12月14日・15日に静岡市民文化会館(静岡市葵区)にて開催されました。
これは、南アルプス※1がユネスコエコパークに登録されてから10年になるのを記念して、実行委員会、静岡市が開催したもので、静岡大学防災総合センターの 増澤 武弘 客員教授(元静岡大学理学部教授/植物生態学)※2が大会長を務めました。
会期初日の14日に開かれた記念講演会では、増澤客員教授(大会長)と 難波 喬司 静岡市長 の挨拶に続き、同客員教授による講演が行われました。
講演のテーマは、「南アルプスユネスコエコパークに学ぶ」。
同客員教授は、自らの調査研究を基に、地球規模の気候変動により、南アルプスの生態系バランスへの影響が危惧されることや、リニア中央新幹線の工事によるカラマツの伐採やそこに生息するカラフトホソコバネカマキリが絶滅の危機にあること等、貴重な森林や動植物の生態環境の維持が困難になっている現状を説明しました。
さらに、ユネスコエコパークの自然保護の管理概念のうち、「復元・回復的自然保護」「再生的自然保護」のカテゴリーでの自然環境の保全や、開発前よりもさらに良い環境に向上させる継続的な努力が、南アルプスの普遍的価値を維持していくために重要であると訴えました。
記念講演会には、一般市民の方約400名が来場。
会場では、様々なテーマの講演会のほか、パネルディスカッション、ワークショップ、雷鳥の写真展なども行われ、来場者は、南アルプスの自然の魅力や環境保全について、理解を深めていました。
※1 南アルプス:
日本アルプスの北から飛騨山脈(北アルプス)、木曽山脈(中央アルプス)、に続く赤石山脈(南アルプス)。静岡市井川地区や川根本町は南アルプスの南エリア。大井川は、南アルプスの間ノ岳(あいのだけ)が源流。
※2 増澤 武弘 客員教授:
静岡大学防災総合センター客員教授(元静岡大学理学部教授)。国土交通省「リニア中央新幹線静岡工区有識者会議」のメンバー。静岡県遠州灘沿いなど県内各地で、防災林・減災林の造成実験に地域住民らとともに取り組んでいます。
*南アルプスユネスコエコパークウェブサイト https://www.minami-alps-br.org/about.php