【工学部】 福原 長寿 教授がFMしみず「日曜ネイチャーランド」(12/22) に出演しました
FMしみず「日曜ネイチャーランド」内の「生きるチカラ」のコーナー(午前11時30分頃~)には、毎週第4日曜日に静岡大学の研究者が出演し、パーソナリティのしなっちさんと、楽しく最新の研究等についてお話しています。
2024年12月22日(日)は、工学部の 福原 長寿 教授がスタジオ生出演。
二酸化炭素などの温室効果ガスの、排出量と吸収量を差し引き0(ニュートラル、中立)にする「カーボンニュートラル」に向けた研究をテーマにお話しました。
■ 二酸化炭素を価値ある物に瞬間的に変換する
工場などから大気中に排出される二酸化炭素を原料にして、都市ガスの材料としても使われている燃料のメタンや、機能性材料として使われる固体炭素を作る研究をしています。
二酸化炭素を1秒以下で瞬間的・高効率にメタンガスや固体炭素に変換する技術を開発しました。
この技術は、特殊なねじり棒状の触媒システムを使って、投入した二酸化炭素の60%を固体炭素として固定化することができます。
この成果は、2030年までの日本の二酸化炭素削減目標である46%を上回る効率を達成しています。
■ 開発のきっかけとその歩み
開発のきっかけの一つは、研究室の学生の実験でのできごとからです。
「失敗した」と学生が持ってきたものを見ると、メタンと二酸化炭素の反応物として固体炭素がびっしりとついていて「これは何かある」とひらめきました。
二酸化炭素をいかに大量かつ瞬間的に変換するかということで、触媒システムのデザインも試行錯誤を繰り返しました。
大学時代を過ごした仙台にある「仙台駄菓子」からヒントを得て「ねじり棒状」の触媒にすることで、二酸化炭素を瞬間的・効率的に固体炭素へ変換するシステムを何とか開発できたのです。
■ 技術の実用化に向けて
この技術は既に実装段階に入っており、静岡県内の企業とタッグを組んで社会実装を目指しているところです。
静岡県の豊富な再生可能エネルギーを活用し、地域全体でのカーボンニュートラルへの取り組みを推進していきたいですね。
また静岡大学では、カーボンニュートラルに向けた全学的な取り組みをスタートし、2024年7月に「カーボンニュートラル推進本部」を立ち上げました。
その設置記念講演会を2025年2月20日に開催します。
静岡大学はどのようにカーボンリサイクル、カーボンニュートラルに関する技術を開発してきたのか、そしてこれからの取り組みについてわかりやすくご説明いたしますので、ぜひお越しください。
『日曜ネイチャーランド』静岡大学の研究者が第4日曜日11時30分~出演中!
次回の静岡大学の研究者の出演は、1月26日(日)です。
■ 出演番組: FMしみずマリンパル『日曜ネイチャーランド』 (毎週日曜10時~13時)
放送はサイマルラジオで全国どこからでもお聴きいただけます。(同時放送のみ、アーカイブはございません)
ぜひお聞きください。