【情報学部】望月 美希 講師 がS-wave『Sunday Nature』(9/21)に出演しました

2025/10/10
メディア

エフエムしみず静岡(S-Wave)『Sunday Nature』「Turn;Green」コーナー(午前8時頃~)には、毎週第3日曜日に静岡大学の研究者が出演し、パーソナリティのしなっちさんと、最新の研究等について楽しくお話しています。
9月21日(日)は、情報学部望月 美希 講師 が出演。
専門である「地域社会学」のほか、災害復興とまちづくり静岡における防災フィールドワークなどの取り組みについてお話ししました。

■専門は地域社会のあり方を考える「地域社会学」

専門は社会学で、特に「地域社会学」という分野を専門にしています。地域社会学は戦後の高度経済成長期から展開してきた学問分野です。都市開発や産業開発が進む中で、地域の生活も変化していく時代に、政策的な開発の流れと実際に住んでいる住民への影響、地域の問題解決方法、より良い地域生活のあり方を考える分野として発展してきました。


■ 情報学部で学べる文系の分野

浜松キャンパスにある工学部・情報学部は理系のイメージが強いですが、情報学部には文系の分野から情報学や社会学を学ぶ「情報社会学科」があります。現在静岡大学に着任して4年ほど経ち、地域社会学の中でも災害や防災の研究に取り組んでいるため、その分野に関心を持つ学生たちが集まってきています。

■被災地復興の取り組みをきっかけに研究者の道へ

研究者になったきっかけは東日本大震災の復興に関する研究です。2011年の震災翌年から宮城県の岩沼市と亘理町という津波被害を大きく受けた地域に通うようになり、災害や防災に強い関心を持つようになりました。
初めて東北に行ったのは大学4年生の時で、南三陸での支援活動でした。その後、岩沼市と亘理町にも通い始め、もうすぐ15年になります。今も地域の方とお付き合いを続けています。


■ 被災地でのフィールドワークに取り組む使命

地域社会学では「フィールドワーク」が重視されています。その現場での問題が何か、実際に現地に身を置き、現地の様々な方のお話をお伺いする中で考えていくという手法です。私もボランティアの方や現地の方と復興支援活動に取り組む中で、一体何がこの復興に関しての課題なのか、考えながら活動してきました。その中で、被災者の方が思っている言葉をきちんと拾っていくということが一つの学問的な役割・使命だと感じています。

フィールドワークでは、言葉や生活の慣習、なりわい、地域の行事などを現地の方から学びます。初めはなかなか理解できなかった東北の方言も、10年ほど経つと徐々に理解できるようになりました。調査というより、現地の方から教えてもらう中で地理感覚や季節の食べ物、地域の言葉などが研究者の側にも身体化されていきます。


■ 「生きがい」を考えることの重要性

研究の中で重要なキーワードになったのが「生きがい」です。フィールドワークを通じて、復興において生きがいを考えることが大切だと気づきました。沿岸部の農村地域では、震災前は兼業農家として暮らしていた方々が、津波被害後に仮設住宅や災害公営住宅に移り、多くの高齢者が農業をやめる決断をしました。その後「することがない」という言葉がよく聞かれ、生活環境の変化による生きがいの喪失が問題となっていました。

復興支援や復興後のまち作り計画の中で、生きがいの創出や、地域コミュニティの存続、社会的孤立の防止などをその取り組みの中に組み込んで考えていくことが重要ですね。


■ 東北での学びを静岡にも活かす

静岡県出身として、東北で学んだことを静岡に還元したいと考えています。現在、浜松市や静岡市、西伊豆町で防災に関する研究をしていますが、さらに発展させたいですね。研究者だけでなく、地域の人々や行政、企業も含めて、まちなかでみんなで防災について考える場づくりをしたいと考えています。具体的には、まちなかに研究所を作り、教員や学生が大学を飛び出し街に出て活動する拠点にしたいと思っています。



楽しい環境・エコ・自然科学の入門!
S-Wave『Sunday Nature』(日曜朝7:30~9:00)放送中!

静岡大学の研究者は、第3日曜日 朝8:00~出演!
次回の静岡大学の研究者の出演は、10月19日(日)です。

■ 出演番組: エフエムしみず静岡(S-Wave)『Sunday Nature』(毎週日曜 朝7:30~9:00)



放送はサイマルラジオで全国どこからでもお聴きいただけます。(同時放送のみ、アーカイブはございません)


ぜひお聞きください。

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