【教育学部】村越 真 教授が S-wave『Sunday Nature』(10/19)に出演しました

2025/11/14
メディア

エフエムしみず静岡(S-Wave)『Sunday Nature』のゲストコーナー(午前8時頃~)には、毎週第3日曜日に静岡大学の研究者が出演し、パーソナリティのしなっちさんと、最新の研究等について楽しくお話しています。
10月19日(日)は、教育学部村越 真 教授 が出演。
専門である「リスク認知」「空間認知」のほか、自然や災害時の危険予測などについてお話ししました。

■心理学における「知」の領域に特化した研究

教育学部で「教育心理」を教えています。心理というと、多くの方はカウンセラー、特に学校のスクールカウンセラーのようなものをイメージすると思いますが、それは教育心理の一分野です。私は「」の分野、人の賢さや、人が環境にある情報をどう取り込んで自分の行動を決定しているかという分野です。
静岡大学に着任して38年になりますが、その中でも途中でいくつか研究テーマは変わっており、現在は主に「リスク認知」をテーマに取り組んでいます。


■ 人はリスクをどう乗り越えるのか

7000~8000mの非常に危険な高所に挑戦する登山家たちを対象に、インタビュー調査をしたことがあります。彼らが高いリスクをどのように捉えているか、それを自分が攻略できるかどうか、そのリスクをどうやって乗り越えるかを研究しました。意外なことに彼らの多くが、自分は臆病だ、慎重だと言うのです。自分の力を過信することが、リスクを高める一因となるのかもしれません。
また、登山家に対するインタビューから得たものをベースにして、トレイルランニングレースの安全管理に活用し、選手の安全を守るという活動もしています。


■自分の周りの空間認知についての研究

もう一つ今取り組んでいるのが「空間認知」の研究です。簡単に言うと「方向音痴」の研究ですが、私は方向音痴でない人がどのように自分の周りの環境を認知しているかという研究をしています。例えば、静岡大学のキャンパスで経路を設定し、特定の場所を回って元の場所に戻ってくる課題を与え、何秒で戻れるか、どういう間違いを犯すか、何に注意したかなどを記録して分析しています。


2017年には南極地域観測隊に参加し「過酷な自然環境におけるリスクマネジメントの実践知の解明」の研究に取り組んだ

2017年には南極地域観測隊に参加し「過酷な自然環境におけるリスクマネジメントの実践知の解明」の研究に取り組んだ

■ リスクを読み誤る、発見できない場合の特徴

「危ない」というのは当たり前のように思えますが、誰が見ても危ないものは大抵避けます。事故に巻き込まれてしまうケースというのは、最初は危なくなかったのに何か要素が加わって、少しずつリスクが変化していき、最後の展開をうまく見抜けないことで起こります。経験を積んだり予想するトレーニングをすることで、その能力は改善できます。

今の学校の役割として、子供たちに自分で自分の身を守る能力をつける「安全教育」を行うことも重要になっています。災害が起こった瞬間に、何が一番危ないかきちんと理解し、その場に応じた行動ができる。 そのような能力を持った子どもや教員を育てることを意識して、日々教育に携わっています。この先ライフワークとして、リスクのための教育を続けていければとも考えていますね。


■ 静岡大学教育学部は2025年で創基150周年

静岡大学教育学部の前身となる「静岡師範学校」が1875年に創設されてから、2025年で150周年を迎えました。記念式典など行事も予定しています。 ぜひ記念サイトもご覧ください。

楽しい環境・エコ・自然科学の入門!
S-Wave『Sunday Nature』(日曜朝7:30~9:00)放送中!

静岡大学の研究者は、第3日曜日 朝8:00~出演!
次回の静岡大学の研究者の出演は、11月16日(日)です。

■ 出演番組: エフエムしみず静岡(S-Wave)『Sunday Nature』(毎週日曜 朝7:30~9:00)



放送はサイマルラジオで全国どこからでもお聴きいただけます。(同時放送のみ、アーカイブはございません)


ぜひお聞きください。

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