FM.Hiゆうラジ!Radio魂内「静大スタイル」に本学第三期若手重点研究者出演企画 第11回目は、人文社会科学部 高松 慶裕(たかまつ よしひろ)准教授が出演しました

2018/03/19
ニュース

 FM.Hi「ゆうラジ!Radio魂(76.9MH)」内の「静大スタイル」のコーナーは、本学の公認サークル団体「CUE-FM放送研究会」が司会を務め、毎週木曜日夕方5時23分から5時53分まで放送している番組です。この番組は、私たちが学ぶ静岡大学の先生をより身近に!をコンセプトに第3期若手重点研究者に選定された教員に隔月で出演いただいています。
 今回のゲストは、人文社会科学部 経済学科 高松 慶裕(たかまつ よしひろ)准教授で、3月15日(木)に生出演いただきました。

 高松先生の専門は、「財政学」。東京生まれ広島育ち、高校時代は甲子園を目指すバリバリの高校球児だったそうです。今回は、先生の研究内容から学生時代の話など、日頃大学では、聞くことのない内容にもお話いただきました。

●先生の専攻を教えてください
専攻は財政学・租税論です。政府(公共部門)についての経済学で、政府がどのように資金調達し、支出するかを考える学問領域です。

●具体的な研究内容を教えてください
 最適課税、特に最適所得税の理論的研究です。最適というのは、効率性と公平性の両方を考慮して、社会的厚生を一番高めるという意味です。例えば、経済には高所得の人から低所得の人まで色々いますが、人々に与える経済効果に注意しながら、高所得の人にどのように課税し、低所得の人にどう再分配すべきかを考えます。

●先生が思う研究におけるやりがい、また難しいところは何ですか
 私は理論的研究をしているので、数学的なモデルを構築して、シミュレーションを行います。そのモデルがうまく解けて、しかも政策的な含意がある結果が得られるとうれしいです。一方で、「財政学」は最終的には政治の世界で決まることなので、研究結果がそのまま政策につながるとは限らないことが難しいと思っています。

●先生の研究が達成されると、どのようなことがわかるようになりますか
 最近は、特に低所得者への再分配政策に関心があります。人々の就業を促進するために働けば働くほど給付額が増える給付付き税額控除・賃金補助を採用した方が良いのか、高齢者や若者で課税給付方法を分ける年齢別課税が良いのか、人的資本投資のために資本所得税をどう設計すべきかなどがわかります。

●先生が今の研究をするに至ったきっかけを教えてください
 元々財政学に関心を持ったのは、財政赤字の問題(財政の持続可能性の話)だったのですが、大学院に進学してから、最適課税論の理論に興味を持ちました。効率と公平の両方を考える点と数学的な難しさと美しさに惹かれました。

●学校ではどのような授業をされていますか
 経済学科では、財政学Ⅰ・Ⅱを担当しています。財政学は応用経済学なので、ミクロ経済学を用いた理論的な話から予算制度や租税制度などの財政制度の話まで扱い、カバーする範囲が広いと思います。経済学科の学生はまじめで授業しやすいと思っています。

●どのようなゼミを開講していますか
 学部財政学ゼミと大学院の財政学ゼミを開講しています。学部ゼミは1学年8名前後です。毎年2チームに分かれて共同研究をして、12月にある経済学科の学生成果発表会で発表しています。テーマ設定から学生自身で考えますので、少しずつたくましくなっていきます。大学院は税理士志望の人が多くて、幅広い年齢層で構成されています。

●先生ご自身は学生の頃どのような生徒でしたか
 中学・高校は野球部で,大学時代もスキーサークルに所属していました。実は体育会系というか、体を動かすことが好きです。

●最近のご趣味、また休日の様子などを教えてください
 息子が二人いる(4歳と1歳)ので、休日は子供たちと遊んでいます。かわいいです。後はドラマ「相棒」を録画して、毎週欠かさず見ています。

●この春入学する静大新一年生に一言お願いします
 4年間は長いようで短いです。すぐに役立ちそうなことをするだけでなく、色々経験し、学んだことをその後の人生で役立てていってほしいと思います。

●一曲リクエストをお願いします
Mr.Childrenの「終わりなき旅」をリクエストします。

最適課税について説明する 高松慶裕准教授

最適課税について説明する
高松慶裕准教授

収録の様子

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