FM.Hi ゆうラジ!Radio魂内「静大スタイル」に本学第4期若手重点研究者が出演 第21回目は、人文社会科学部 本庄淳志先生 が出演しました

2020/01/22
ニュース

 FM Hi「ゆうラジ!Radio魂(76.9MH)」内の「静大スタイル」のコーナーは、本学の公認サークル団体「CUE-FM放送研究会」が司会を務め、毎週木曜日夕方5時23分から5時53分まで放送している番組です。この番組は、私たちが学ぶ静岡大学の先生をより身近に!をコンセプトに第4期若手重点研究者に選定された教員に隔月で出演いただいています。

 今回のゲストは、人文社会科学部 本庄淳志先生 で、1月16日(木)に生出演いただきました。
 
 本庄先生の専門は「労働法」、大阪府出身です。今回は、本庄先生の研究内容から学生時代の話など、日頃大学では聞くことのできない内容もお話いただきました。

【1.先生の専攻は何ですか】
 「労働法」と呼ばれる分野です。「働く」ことをとりまく法的な問題を広く扱います。

【2.研究内容を詳しく教えてください】
 法学領域での研究は、主として解釈論(現在の法制度をどのように解釈するのか)と、立法政策論(法制度をどのように変えていくべきか)とに区別されますが、私は、近年は主として後者に関心を持っています。
 様々な環境変化のなか、これからの働き方がどのように変わっていくのか。働き方の変化・多様化をふまえ、どのような法的ルールが必要となるのか広く研究対象にしています。
 例えば、あらゆる情報のデジタル化が加速するなかで、労働者から収集したビッグデータを人事施策へ活用する動きがありますが、それに対する法的規制のあり方等を検討しています。また、長期雇用システムが崩れ、転職が活発化するなかで、外部労働市場における法規制のあり方(労働者派遣、職業紹介、求人・求職情報の収集・提供のあり方など)にも関心があります。

【3.先生の研究のやりがいや難しい点はなんですか】
 今後の社会や働く環境の動向を見据えた現行制度の理論面と、実務との乖離をどうみるのか。また、そのすり合わせをいかに図るのかは常に悩むところです。労働法は理論だけでは意味がないですが、理論や体系性も重要です。それと関連して、日本では5000万人以上の労働者が働くなかで、どのような「労働者」や「企業」を念頭に置くのかで現状の見方が大きく変わりますので、そこにも難しさを感じます。

【4.研究を始めたきっかけを教えてください】
 博士論文では労働者派遣制度のあり方について書いていますが、当時の社会的な風潮への疑問のほか、労働者派遣制度の歴史的な変遷、各国の雇用システムのなかでの位置づけに興味を持ちました。
 たとえば解雇に対する規制のあり方、派遣以外の非正規雇用へのさまざまな規制のあり方など、労働法制は体系的に構築されており一部を切り出して論じることは適切でないでしょう。これらの(法制度を含む)雇用システムと労働者派遣制度とはバランスがとれている必要があると考え、研究を進めてきました。

【5.大学では、どのような授業をされていますか】
 本年度は夜間主コースでの「労働法」の講義が中心です。夜間主コースは、社会人、経営者や実務家も多いので理論と実務との境界の話や、雇用システムとしての体系性が伝わるよう努めています。

【6.本庄研究室のゼミの様子はいかがですか】
 最近は法律の細かな議論というよりは、より俯瞰的に、日本の雇用システム(雇用労働をとりまく法律、歴史、慣行)の特徴や、その変化や今後の展望を学ぶゼミになっています。

【7.先生は学生時代、どのような学生でしたか】
 1・2年生時はアルバイト中心の生活でした。特にやりたいこともなく、大学に行ったのは数日程度でした。しかし3年生になるときにゼミを選択する際、アルバイトでの雇用管理の経験から労働法ゼミを選び、恩師との出会い(ご縁)がきっかけになり、もっと学びたいという意欲が湧きました。

【8.先生が静大生に求めることを教えてください】
 意欲をもち積極的な学生が良いですね。何もしないよりは、たとえ失敗してでも経験を積む努力をしてほしいと思います。世の中の様々な動きに広くアンテナを張り巡らせ、フットワークの軽い学生が理想です。積極的に自ら外に出て、いろいろな人と出会い刺激を受けて欲しいです。多様な人との出会いやそこで得た経験は、真の自信に繋がり、人生を大きく変えますからね。

【9.1曲リクエストしてください】
 中島みゆき「ヘッドライト・テールライト」をお願いします。
 NHKプロジェクトXのエンディングテーマですね。

▲働き方、働く環境…本庄先生は「働くこと」に関する研究をされています

▲働き方、働く環境…本庄先生は「働くこと」に関する研究をされています

▲ラジオ収録の様子

▲ラジオ収録の様子

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