過酷な自然環境におけるリスクマネジメントの実践知の解明  ~ 南極地域観測隊で史上初! 「人文社会科学」分野での共同研究で成果を発表 ~

2020/03/02
プレスリリース

 国立大学法人静岡大学は、教育学部の村越真教授が大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所と2015 年(平成27 年)から取り組んできた共同研究の成果が2020 年3 月1 日に日本認知科学会学会誌「認知科学」に掲載されることとなりましたので、お知らせいたします。

 本研究テーマは、南極地域観測隊で史上初めて、研究領域が自然科学分野ではなく、人文社会科学分野で採択された研究です。村越真教授は、2017 年に南極地域観測隊に参加し、「過酷な自然環境におけるリスクマネジメントの実践知の解明」の研究を進めてきました。標識も警告もない自然環境下での安全管理は不確実性が高く、「危険」をどのように認識するのか、命を守る最善の行動をどう選択すべきか、などリスク対応の体系化は非常に困難です。
 そこで本研究では、自然環境での安全管理の在り方に関して、体系的な解明を目指し、南極地域観測隊の隊員インタビューをもとに、オフサイト(事前の計画段階)とオンサイト(現場)での情報を組み合わせ、リスクマネジメントを行うことにより、安全性が高まることを明らかにしました。
 既に、安全な登山の検討やリスクマネジメント研修などに活用されている他、今後は、学校現場の体験活動のリスクに対して挑戦の意義を保ちつつどう対応すべきかの指針として提供されることが期待されています。

【発表論文】
掲載誌:認知科学、27(1),23-43.
タイトル:過酷な自然環境における実践知:南極観測フィールドアシスタントのリスクマネジメントの分析
著者:村越真(静岡大学教育学部)
   満下健太(愛知教育大学・静岡大学共同大学院博士課程)
DOI:10.11225/jcss.27.(以下未定)
論文公開予定日:2020年3月1日

【研究サポート】
本研究は、第59次南極地域観測隊の公開利用研究および国立極地研究所一般共同研究(平成27-28年度)として行われました。
また、JSPS 科学研究費(基盤研究(B)26282176 および基盤研究(B) 19H04429)の助成を受けて実施されました。


【研究に関するお問い合わせ先】
村越 真(むらこし しん)
静岡大学 教育学部 教授
TEL:054-238-4444
E-mail:murakoshi.shin[at]shizuoka.ac.jp
(報道担当)
静岡大学 総務部広報室 大泉
TEL:054-238-5179 FAX:054-237-0089
E-mail:koho_all[at]adb.shizuoka.ac.jp

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