河岸 洋和 教授が、令和3年秋の紫綬褒章を受章しました

2021/11/04
受賞・表彰(教員)

受章者
河岸 洋和 教授

受章の対象
生物有機化学研究功績

受章者の関連サイト
農学部応用生命科学科 生物化学研究室
https://shizudai-biological-chemistry.labby.jp/

受章者の関連サイト
令和3年秋の褒章受章者名簿 
https://www8.cao.go.jp/shokun/hatsurei/r03aki/meibo_hosho/hosho-22shizuoka.pdf



紫綬褒章は、科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方に対して授与されます。

【業績の概要】
 生物有機化学分野において、抗認知症効果をもつヤマブシタケ由来の薬理活性物質の発見やスギヒラタケによる急性脳症の解明など、キノコの様々な生物活性物質を発見するとともに、「フェアリーリング」という長年謎であった現象を科学的に解明し、植物成長調節物質としてフェアリー化合物(FCs)を発見するなど優れた業績を挙げ、斯学の発展に大きな貢献をしました。

【受章者のコメント】
 このたびは全く思いも寄らなかった紫綬褒章受章の栄に浴し、驚き、そして、大変光栄に思います。静岡大学では初めてと聞きました。この受章は長年にわたる多くの方々のご指導ご支援のおかげであり、心から感謝申し上げます。
 私は、博士号取得直後の1985年に静岡大学農学部に助手として赴任しました。そして、主にキノコを対象にした天然物化学的研究を、知識も経験もほとんど無い状態から始め今日に至っています。赴任時には自由になる研究費はほとんど無く、研究室にあるビーカーの数を容量毎に全て諳んずることができるほど極めて乏しい研究環境でした。その状況下での私を、何の見返りも無いのにも関わらず物心両面で支えてくださった碓氷泰市先生(静岡大学名誉教授)と故上村大輔先生(名古屋大学名誉教授,当時は静岡大学教養部助教授)からのご恩は一生忘れません。また、本年7月に急逝した故菅敏幸静岡県立大学教授は最近の研究での強力な共同研究者であり友人でした。この場をお借りして感謝とともに哀悼の意を表します。
 今後もさらに精進し、化学・科学の面白さを多くの方々に知っていただけるような研究を続けていきたいと思っております。また、これまでも、そして現在も静岡大学内の複数の学部の同僚たちと共同研究を続けてきました。学部間の垣根の低い総合大学としての静岡大学の魅力を、社会に発信していくことも私の勤めと思っています。

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