電子工学研究所・川人祥二教授提唱の計測法「ハイブリッド駆動ToF方式」を用いて凸版印刷とブルックマンテクノロジが世界初となる次世代ToFセンサを開発

2022/06/23
研究

凸版印刷株式会社が、子会社の株式会社ブルックマンテクノロジと共同で、1~30mの範囲で距離を測定できる「ハイブリッド駆動ToF方式」による「三次元距離画像センサ(以下 3Dセンサ)」を開発しました。これにより、従来主流となっている「間接ToF方式」による3Dセンサの5倍以上遠くまでの範囲で距離の計測が可能となり、センサを搭載することにより障害物を回避するなどの動きをする自律飛行ドローンや自律走行型搬送ロボットなどの操作性と安全性の向上に寄与します。
また、このハイブリッド駆動ToF方式による3Dセンサは、独自の外光ノイズ除去機能を搭載し、CMOS方式のイメージセンサとして世界で初めて真夏の日中に相当する照度10万ルクスの環境下で、最長20mまでの距離を測定できます。

「ハイブリッド駆動ToF方式」
静岡大学・川人祥二教授により提唱されたToF(Time of Flight)計測法で、位相差によって距離を計測する「間接ToF方式」をベースに、時間差によって計測する「直接ToF方式」の機能を組み合わせた、新しいセンシング技術です。「マルチタイムウインドウ技術」と呼ばれる、複数の短時間ウインドウの組み合わせにより光の往復時間を推定するため、従来の間接ToF方式と比較して、屋外でのセンシング時に問題となる外光ノイズの影響を受けにくいという特長があります。

凸版印刷
凸版印刷は「印刷テクノロジー」をベースに「情報コミュニケーション」、「生活・産業」、「エレクトロニクス」の3分野で事業を展開しています。「印刷テクノロジー」という事業基盤のもと、それぞれの事業分野を発展させ、社会やお客さまの課題解決につながる「トータルソリューション」の提供を行っています。

ブルックマンテクノロジ(旧(株)ブルックマン・ラボ)
静岡大学・川人祥二教授が、 文部科学省のプロジェクトである、”浜松地域知的クラスター創成事業”にて発揮した研究成果をベースに、2006年2月に起業した会社です。以来、多くのCMOS集積回路、イメージセンサ、ToFセンサの開発・設計の仕事を手がけています。2021年3月に凸版印刷が94.6%の株式を取得、同社の子会社となりました。

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