「期成同盟会の発足に伴う今後の方向性について」の学長と記者との懇談会を開催しました

2023/03/09
ニュース

令和5年3月7日(火)に、学長と記者との懇談会を本学で開催しました。詳細は以下の通りです。

■ 日時|令和5年3月7日(火) 16:30~17:30

■ 場所|静岡大学静岡キャンパス事務局5階大会議室

■ 出席者
[静岡大学]日詰一幸学長、片田晋 特命理事・副学長・ 事務局長
[報道関係]中日新聞、静岡第一テレビ、テレビ静岡、時事通信社、読売新聞、 NHK、SBSテレビ、静岡朝日テレビ、静岡新聞、日本経済新聞


1.日詰学長説明

〇本日は、2月9日の学長と記者との懇談会に続いて、3月2日の「期成同盟会」の発足に関する受け止めと、今後どのような方向性を持って法人統合・大学再編問題に取り組んでいくのかについて、本学の考えを御説明すると同時に、報道機関の皆様と懇談させていただきたく、お集まりいただいた。

〇まず、期成同盟会の発足についてである。資料1のとおり、期成同盟会の会長である鈴木康友浜松市長より、設立趣意書が公開された。内容については御要望として受け止めるが、浜松市を除く11の市町が参加を表明した背景は何か、逆に参加しなかった市町はなぜ参加しなかったのか、知りたいところではある。

〇期成同盟会の発足式には、学長である私にも出席の依頼があった。そのときは期成同盟会の趣旨が明確でないこともあったが、報道で知る限りでは法人統合・大学再編の推進を目的とした同盟会であることを知り、そのような動きに賛同はできなかったことから、欠席する旨の返事をした。

〇法人統合・大学再編は、学外関係者の多数決で決めることではないため、設立趣意書は真摯に受け止めるが、先般の記者との懇談会でも申したとおり、大学のことは大学が主体的に決めるべきであると考えている。

〇学内外からは、自治体の介入ということに対して、静岡市が先に介入しているではないか、といった趣旨の御意見があった。本学としては、静岡市は介入ということではなく、むしろ国立大学が立地する地域の市民の声を代表し、大学再編に対して疑義を呈されたのだと受け止めている。だからこそ、本学は静岡市に対し、これまでも、法人統合・大学再編に関する説明を繰り返し行い、理解を求めてきた。更には前学長がゼロベースでの議論もお願いし、理解を得るべく努力をしてきた。しかし、法人統合には理解を示していただいたものの、それでもなお大学再編に対する疑義は解消されず、賛同が得られていないという状況である。大学同士が決めた大学再編の撤回を求める形で介入しているのではなく、大学再編に疑義を呈しており、説明を繰り返しても未だに理解も納得もしていただけないのが現状で、資料2の施行通知も相まって複雑化していると受け止めている。

〇「大学が主体的に決める」ということは、静岡市、浜松市をはじめとした県下自治体や期成同盟会のみならず、学生、同窓会など多様なステークホルダーからの声を踏まえて考えていくことである。よって、期成同盟会の発足やステークホルダーからの御発言は真摯に受けとめ、特定の意見のみを尊重することなく検討していく所存である。

〇記者のみなさまと共に考えさせていただきたいことがある。「合意書を平成31年3月29日に締結し、本来であれば令和4年4月から新大学で学生を受け入れることになっていたが、実現に至っていない。学長が決断しないからだ」との強い御批判があることは承知しているが、法人統合・大学再編という構想が、当初から誰もが理解・納得する構想ではなかったのではないか、このことから4年以上が経とうとする今でも実現に至らないのではないか、という問題意識を持っている。また、構想の立案段階において、大学統合等を含む他の案と比較することなく進められて来たことも、本構想が実現に至らない原因ではないかと思う。直近の例では、東京工業大学と東京医科歯科大学の大学統合の構想、大阪市立大学と大阪府立大学の大学統合の構想は、一つの大学になって新たな目的と使命を掲げ、世界や地域に貢献するという多くの人々が理解、納得できるものであったことから、相当な御苦労を重ねながらも、実現しようとしているあるいは実現に至ったのではないか。

〇本学としては、静岡市に限らず、疑義の声が上がる中で、その疑義を無視してまで大学再編に進むことはできない、という見解である。疑義を持っている方に対して、誠意をもって説明を続け、繰り返し説明しても納得いただけなければ、改善を図るか、別案を提示するのは当然あり得ることかと思う。

〇資料3は、国立大学改革強化推進補助金の事業期間を通じた評価である。ここでも様々な所見が付されたが、施行通知も含め、これらに対応することなく、当初の大学再編案を進めることはできないと受け止めている。そのために提案したものが、本学が示す大学統合も含めたモデルチェンジ案である。

〇先般の記者との懇談会でも申したが、日本には国公私立を含めて800を超える大学が存在しており、今もなお増え続けているのが現状である。18歳人口が減少する中で、いずれそれぞれの大学が統廃合の決断を迫られる時代がくると予測している。本学としては、合意書締結以降の状況の変化を踏まえ、大学統合を見据えた将来の大学のあるべき姿を検討したいため、合意書の「2.合意事項」(6)に基づき、両大学でさらに踏み込んだ検討をしたいと考えているが、今のところ浜松医科大学には御理解をいただけていない状況である。私としては、静岡地区と浜松地区といった地域に分かれた大学を作るのではなく、両大学が一つになり、多様化する社会を見据え、学問分野の広い裾野を持った新たな大学を静岡県内に作り、専門知と総合知を兼ね備えた学生を育成すること、また研究の裾野も広げ、その成果を地域に還元すること、更には静岡県の高等教育を両大学が先導すること、これらの国立大学としての使命を果たしていくことにより、静岡県全体を活性化させ、持続性のある魅力的な地域にすることが重要なことだと考えている。このような大学こそが先鋭的な大学を期待する浜松市の期待にも応えることができるのではないかと考えている。

〇一つの法人の下で、二つの大学がそれぞれ先鋭的な大学となり、静岡県に貢献していくという考えも分かるが、同じ法人の下とは言え、静岡と浜松にそれぞれ大学を置くことは、今の状況を見ても分かるように、大学の隔たり、地域の隔たりは変わらないかと思う。法人はあくまで経営の主体であり、教育研究を通じて地域に貢献する主体は大学である。一法人二大学となっても、法人が一つだから教育研究が一体的に進められるというわけではないと考えている。静岡県全体を活性化させることができる学問分野の広い裾野を持った大学を実現するには、やはり大学を統合することが望ましいと考えている。地域で大学を分断するようなことは絶対に避け、大学の壁をなくし、地域を超えて静岡県全域に貢献することが、未来の大学としてあるべき姿だと考える。

〇昨年、学長と学生との意見交換会を開催した。その中では、合意書の法人統合・大学再編についても説明をしたが、参加した学生にはあまり響くことはなく、「地区別の大学ではなく、一つの大学になって欲しい」といった意見もあった。また、学生にとっては、学業以外の面、例えば部活動やサークル活動も非常に重要な一面であるが、大学再編は、こうした活動も分断することになりかねない。一つの大学となることで静岡大学と浜松医科大学の学生の交流の幅も大きく広がり、専門の異なる多様な学生同士が相互に交わることによって生み出される様々な気づきや啓発の機会は、実に貴重なものとなるのではないかと受け止めている。これこそが大学統合の大きなメリットであると思う。

〇先般の記者との懇談会でも御説明したとおり、本学は状況の変化に伴い袋小路に陥っている状況であることから、20年後、30年後を見据えた大学統合をも含めた法人統合・大学再編のモデルチェンジを検討すべきであると考えている。一方、浜松医科大学は、合意書に基づいた法人統合・大学再編を進めることが最善という考え方であり、双方で意見の一致が見られない状況である。

〇資料4の合意書において、このように意見の相違があった場合には、「2.合意事項」(6)として、「両法人は、法人の統合、大学の再編に向けて誠意をもって取り組むものとする。また、本合意書の内容、解釈について疑義が生じた場合、あるいは意見の相違があった場合には、双方誠意をもって協議し、解決するものとする」と定めている。アカデミアとして、この条項に基づいて協議を進めていきたいと考えている。

〇本学としては、直ちに合意書を破棄するということではなく、あくまでも合意書に記載された条項に基づいて議論を行うことを求めており、期待している。浜松医科大学が理解を示すことなく、議論の余地がないと言うことになれば、本学はこれ以上の議論を進めることができなくなり、協議が行き詰まってしまう可能性がある。とはいえ、統合再編構想については、本学と浜松医科大学が責任をもって、今後も主体的に協議を進める中で、お互いが歩み寄れる着地点を見定めていきたいと考えている。市町の首長の皆様、経済界、行政の皆様には、大学相互の主体的な協議や決定を御理解・尊重していただくとともに、静岡県のために真に必要な国立大学の実現に向けて御支援をいただくよう、切にお願い申し上げたい。

〇資料5には、学長の私案として、今後の議論の一つの選択肢となる、一法人一大学を提唱している。この一法人一大学の構想について、本学としては、ただ医学部が加わればよい、といったような小さな考えではなく、「静岡大学と浜松医科大学の英知を持ち寄り融合させ、新たな目的と使命をもった国立大学を設置することで、あらゆる地域課題に対応し、一つの国立大学として静岡県全域の教育・研究・地域貢献を牽引する」このような志で一法人一大学として新たな大学を設置し、学生と地域の皆様、自治体、産業界の皆様と共に歩みだしたいと考えている。新大学が実現するのであれば、静岡大学の名称にこだわるつもりはない。

〇最後に、2月27日の浜松市長の定例記者会見において、近隣の国立大学の名称を挙げ、「なぜドンドン地盤沈下しているのか、特徴のない総合大学がいっぱいある」と言った御発言があった。私個人を批判するのは構いませんが、他の国立大学を引き合いに出しての発言は適切なものとは言えないと思う。同じ国立大学の学長として、見過ごすことはできない。この場を借りて、少なくとも発言の撤回を希望する。


2.質疑応答(〇静岡大学 ●報道機関)

●本日午前、浜松市が提供している統合準備室にて、日詰学長と今野弘之浜松医科大学長の姿をお見かけした。今述べられたことを全て伝えたということか。ほかに伝えたことや、渡したものはあるか。また、それに対する今野学長の反応はどうだったか。

○(日詰)浜松医科大学とは、毎月連携協議会を行っており、連携協議会の前に、今野学長とトップ会談を行っている。前回の連携協議会を休会としたが、今野学長と毎月一度は会談を行った方が良いと判断し、私から会談を依頼した。学長同士で、期成同盟会の受け止め方や、学内の状況を共有した。また、本学としては、大学再編では学内が一つになることが難しいため、モデルチェンジ案を検討しているが、今後、共に検討してもらえるかということについて話をした。

●モデルチェンジ案というのは学長私案である一法人一大学案のことで、それを議論の俎上に載せることを含めて検討することを求めたということか。また、再度の質問だが、本日の会談での今野学長の反応はどうだったか。

○(日詰)本学からモデルチェンジ案を示す段階ではなく、内容が分からないため、何とも言えないとのことであった。モデルチェンジ案を学内で検討していることだけは申し上げたが、本日の段階ではモデルチェンジ案を提示することはできない。

●昨年から学長私案を示されているが、本日の今野学長との面談では、敢えてモデルチェンジ案を示さなかったということか。

○(日詰)学内で議論を行っており、学内で熟していない案を示すことはできない。今後、学内の議論を進め、それを基に話をする。

●法人統合のみの案など、具体的な案を示したわけではないということか。

○(日詰)具体的な話はしていない。毎月様々なことを話しているため、その一環として本日もお会いして話をした。何かを提示して、検討を依頼したわけではない。

●何かしらを書面にして、返答を求めたということもないのか。

○(日詰)返答を求めていることはない。

●歩みよりを模索したというわけではなく、顔を合わせた程度ということか。

○(日詰)今回は、特に期成同盟会の発足について話をした。

●期成同盟会の発足に対して、どのようなことを話し合ったのか。

○(日詰)学内における、期成同盟会の発足の受け止め方などを話した。

●学内での受け止め方とは何なのか。また、今野学長から、期成同盟会の発足に対して、何かしらの発言はあったか。

○(日詰)学内で、期成同盟会は政治的な団体と捉えていること、それによって大学の動きが制約を受けることは望ましいことではないとの意見があった。また、浜松市長から私自身へ、非常に厳しい意見があったことについての所感が述べられた。今野学長は、期成同盟会に御出席され、御挨拶なさったとおっしゃっていた。

●会談の場では、静岡大学内で「期成同盟会は政治的な団体」「浜松市長から厳しい批判を受けた」という意見が出たことを、今野学長に伝えたということか。

○(日詰)そのとおりである。学内での受け止めは、後日、本学のウェブサイトに会議の議事録が掲載されるため、御覧いただきたい。

●今野学長からは、出席して挨拶したという報告だけか。

○(日詰)そのとおりである。学長として、言葉を選びながら御発言なさったという話はあった。

●これだけ味方が多いのだから、一法人二大学案を進めたい、それ以外の選択肢は有り得ないといった、意思表明はなかったか。

○(日詰)そのような詳しい話はなかった。

●学長私案を出すのであれば、学内のコンセンサスを得て、静岡大学として機関決定すべきという浜松市長からの指摘について、どう考えているか。

○(日詰)そこまで熟した議論になっていないため、あくまで学長として提示させていただいた私案である。ただし、それがモデルチェンジ案とどのように関連するかといった議論は学内で一定程度行っているが、まだ大学としてのコンセンサスが得られていないため、これから進めていきたい。

●キーワードとなっているモデルチェンジ案は、合意書の2.(6)に沿って、当初の合意案の一法人二大学以外の考え方も含めた協議を求めていると理解してよいか。

○(日詰)御認識のとおりである。

●次の連携協議会は開催するのか。

○(日詰)3月末に予定しているため、準備を進めている。

●期成同盟会の発足式に、副学長や浜松キャンパスの学部長が出席されたが、どう受けとめているか。また、浜松市長から、一法人一大学案に対して、プロセスを踏むべき、無責任な発言だとの指摘があったが、どう受けとめているか。

○(日詰)理事の一人が期成同盟会に参加し、挨拶も行った。浜松キャンパスから選出した理事であるため、大学再編に賛同していることは理解している。異なる意見を持った方が加わることで議論が熟していくことは重要であるため、理事として任命した。理事就任時の記者会見でも、私と異なる考えを持っていると発言していた。今回も、事前に、期成同盟会に参加する意思があること、挨拶を依頼されていることの連絡があった。しかしながら、本学の一教員として参加することと、理事として参加することは異なるのではないか、非常に重い意味を持った参加・挨拶となるため、良識を持って対応してもらいたいと伝え、本人の判断に任せた。外部から見れば、執行部が一致していないと批判はあるが、任命者の責任として、批判を受けざるを得ないと考えている。プロセスを踏まえて対応すべきという御発言については、合意書と異なる意見を出すことに関してどのように受け止めるかということであるが、合意書において、合意書の解釈に疑義があった場合、あるいは意見の相違があった場合は、双方が誠意を持って協議を行い解決すべきとあるため、それに沿って議論をさせてもらいたい。その案を作成するに当たり、学内での意思形成は必要であると考えている。

●期成同盟会に参画している自治体、不参加・保留としている自治体に独自に取材をしたところ、いずれも医工情連携にはメリットがあるというポジティブな意見を持っているようである。浜松側は、合意書案どおりでないとできないとの論調であるが、一法人一大学案は、各自治体の期待を満たすことができるか。また、浜松側が主張している合意書案以上のものを示すことができるのか。

○(日詰)私が申し上げていることが、医工情を中心とした先鋭的な大学よりも勝ったメリットがあるかは大きな論点であり、現在検討しているため、現時点では提示はできない。医工情の連携は誰にとっても魅力的であるが、本学にはそれ以外にも学部があり、静岡キャンパスと浜松キャンパスが融合することで、新しいものを生み出すことができるというメリットもあると考えている。現在、社会的な課題が山積しているが、それらを解決するための人材を育成すること、その中でも、専門知と総合知を修得した応用力のある人材を輩出することが大学の役割であると考えている。また、専門知の中でも多様な領域と結びつくことで、新しい研究領域が開かれていく可能性があると考えている。社会的なニーズに応じて領域を広げることによって、新たな学問領域を作り出すこともできるのではないか。そのような貢献の仕方もある。

●今の御自身の考え方について、期成同盟会に参画している自治体、不参加・保留としている自治体や経済界に対して、説明に回る予定はあるか。

○(日詰)県内の自治体の皆様と対話できる機会があれば、対話させていただきたい。また、自治体だけではなく、経済界の皆様との対話にも取り組みたい。

●浜松市長が、地方の総合大学を「特徴のない総合大学は段々落ちている」と例に挙げ、浜松側の案が良いと話したが、それに対しての受け止めと、総合大学というものの考え方を教えてもらいたい。

○(日詰)静岡大学は総合大学であると自負している。広く多様な学問領域が大学の中に存在していることは重要である。その中で教員間・学生間の交流があり、それを保証することが大学として大切である。浜松市長が例に挙げた大学も、地方国立大学として、立派に教育・研究を実践され、地域貢献を行っている。その御認識が十分ではないのではないか。自らの大学の生き残りについて、様々な御検討・取組を行っていることを知っているため、軽々に言われることは違和感がある。

●モデルチェンジ案は、いつ頃提示する予定か。

○(日詰)検討中であるため、年度を跨ぐことになる。明確な時期は言えないが、数か月、半年といった単位で考えたい。

●学内のコンセンサスを得た上で、提示するということか。

○(日詰)一定程度のコンセンサスは必要であると考えている。執行部だけで決定することは、私のやり方ではない。学長が決定し、それに従うというリーダーシップもあるが、アカデミアとしていかがなものかと考えているため、構成員の意見をある程度聞き取ることを大切にしたい。

●川勝平太静岡県知事から日詰学長に対して、強力なリーダーシップをとって欲しいとの発言があったが、御自身を振り返ったとき、リーダーシップのどこに反省点があると思うか。

○(日詰)様々な方の意見を聞きながら決めるという私のスタイルが、スピード感がないと受け止められることがある。私のスタイルから生じる一つのデメリットであるが、熟議を重ねることが私のスタイルである。

●反省点を活かして、今後どのようなところで発揮していきたいか。

○(日詰)これまでの静岡大学の特質として、カリスマ性のあるリーダーが牽引したということはなかったかと思う。構成員の意見を積み上げて、コンセンサスを得るという方法が本学の在り方であるため、私自身もそれを大切にしてきた。本学の理念は「自由啓発・未来創成」である。これまで「自由啓発」を大切にしながら、大学として存在してきたため、それを受け継ぐことも重要であると考えている。リーダーシップの取り方に御不満の方もいらっしゃるが、それが私のやり方である。そうでなければ、様々な軋轢が生じ、内部から批判も湧き上がってくる。私は、構成員の意見を聞くことが大切であると考えている。

●モデルチェンジ案は、コンセンサスを得た上で、どのような場で発表することになるか。

○(日詰)学内で一定程度のコンセンサスを得た上で、連携協議会で示す。浜松医科大学にメリットがない限り、その議論に乗っていただくことは難しいと考えているが、議論ができる関係を構築できれば良いと考えている。

●モデルチェンジ案で学内のコンセンサスを得るためには、川田副学長をはじめ、浜松キャンパスを中心とする大学再編支持派の合意を得る必要があると思うが、浜松キャンパス側を含めた学内の議論はどれぐらいしているか。

○(日詰)学内の正式な会議をベースに議論を行うが、大学再編案を支持する部局長もいるため、キャンパスごとに部局長との議論も必要であると考えている。

●学長私案が出てから何か月も経過しているが、議論していないということか。

○(日詰)これまでも議論を続けてきているが、浜松キャンパスの方々と静岡キャンパスの方々の考えがすり合わせられない部分がある。強引に行うと軋轢が生まれ、過去の法人統合・大学再編の延期と同じ轍を踏むことになる。

●浜松キャンパス側には理念や信念をもって合意書案を支持している人が多いことから、多数決を採るか、代替わりを待つしかないのではないか。

○(日詰)可能な限り合意できる着地点を見つけていくことが一番良いと考えている。この問題は、多数決で決定するようなことは望ましくない。

●ましてや理事の解任ということは全く考えていないということか。

○(日詰)解任に相当する理由があればあり得るかもしれないが、例えば私が力づくで「辞めなさい」ということは難しいと考えている。

●浜松医科大学側がモデルチェンジ案を拒否した場合は、協議が行き詰まる可能性があるとのことだが、現に行き詰まっている。このまま行き詰まることは絶対避けたいのか、田辺信宏静岡市長から、今ある二大学のままといった趣旨の発言があったように、現状維持でも止むなしと考えているか。

○(日詰)まとまらなければ、現状のままとなってしまう。学内では、現状のままとなることは一番望ましくないという構成員もいる。じっくり意見交換を行うことが重要である。どこかに収束点があると期待している。その努力をすることが、私の役割であると考えている。


3.学長挨拶

今後も、静岡大学を見守っていただけると幸いである。


以上

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