茶葉の未利用成分の抽出・分離濃縮技術を活用 静岡発「ゼロエミッション」モデル構築の取組みを開始

2023/03/13
プレスリリース

国立大学法人静岡大学(本部:静岡県静岡市、学長:日詰 一幸)と静岡大学発のベンチャー企業であるS-Bridges(エス ブリッジズ)株式会社(※) (本社:静岡県浜松市、社長:長門 貴)および、帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:平田 恭成)は共同で、これまで利用できなかった茶葉の繊維やたんぱく質、カテキンなどの有用成分を、ほぼ全量、抽出・分離濃縮することが可能となる技術を開発しました。
3者はこの技術を活用して茶葉をはじめ、茶殻や他の農産物にも応用し、未利用であった有用成分を様々な用途へ展開する「ゼロエミッション(廃棄物排出ゼロ)」モデル構築の取組みを開始します。

(※)S-Bridges 株式会社:2022年2月に設立された、茶葉・茶殻を含む食品からたんぱく質を抽出する技術とその製造工程を研究開発する静岡大学発のベンチャー企業

1.今回の取り組みについて

(1) 今般開発した技術は、従来の方法では抽出できていなかった茶葉に含まれる成分を、静岡大学とS-Bridges社が有する茶葉の細胞壁を破壊し内部の有用成分を抽出する独自技術と、帝人フロンティアが有する成分の分離濃縮技術を融合することで、ほぼ全量、抽出・分離濃縮する新たな技術となり、葉全体を活用可能とするものです。また、この技術は一般的な植物の葉や果実にも応用が可能です。

(2) 茶葉や茶殻から抽出・分離濃縮した有用成分は、工業製品や食料品の原料および、飼料や肥料へ組み入れるなど、様々な用途に展開します。

茶葉・裏面の電子顕微鏡写真(200倍)   ○  :葉肉部の表皮細胞(細胞壁破壊前)

茶葉・裏面の電子顕微鏡写真(200倍)
:葉肉部の表皮細胞(細胞壁破壊前)

茶葉・葉脈繊維の電子顕微鏡写真(200倍) 細胞壁破壊後に分離した葉脈繊維

茶葉・葉脈繊維の電子顕微鏡写真(200倍)
細胞壁破壊後に分離した葉脈繊維

2.今後の展開

(1) 2023年後半に 、 茶葉の繊維や茶葉の繊維を使用した製品の販売を開始し、順次 、たんぱく質やカテキン および、それらを含んだ製品を販売します。

(2) 静岡発の取り組みということで、まずは茶葉を活用することから廃棄物「ゼロ」の取組みを開始し、順次多様な業界や企業と連携するとともに、地域ごと、素材ごとに取り組みを拡大していきます。

(3) さらに、農産物の有効活用を通した『「サーキュラーエコノミー(循環経済)」の実現』に賛同する生産者、企業などへ「ゼロエミッション」モデル構築の輪を広げていきます。

今般開発した技術を用いて茶葉から抽出・分離濃縮した茶葉繊維

今般開発した技術を用いて茶葉から抽出・分離濃縮した茶葉繊維

今般開発した技術を用いて茶葉から抽出・分離濃縮した高たんぱく質溶液

今般開発した技術を用いて茶葉から抽出・分離濃縮した高たんぱく質溶液

申込み方法・問い合わせ先:

国立大学法人静岡大学 イノベーション社会連携推進機構
TEL:053-478-1713

S-Bridges株式会社
担当:長門
E-mail:t-nagato[at]s-bridges.jp ※[at]を@に変更してご利用ください。

帝人フロンティア株式会社
広報・IR部
TEL:03-6402-7087

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