静岡県熱海市逢初川の源頭部の黒色盛土層の放射性セシウム濃度と粒子組成の層位変化

2023/03/17
プレスリリース

2021年7月3日午前10時30分頃、熱海市伊豆山地区の逢初川源頭部にあった盛土が崩落し、土石流が発生し、甚大な被害が出た。盛土崩落の原因を調査する静岡県の検証委員会は2022年9月8日の最終会合で、「盛土直下の地質は周辺流域の地下水が集まる特徴を持ち、集まった地下水で盛土内の水圧が上昇し、盛土崩落に至った」とする見解を示した。だが、①なぜ10年間崩落しなかった盛土が“一気に”崩落したのか、②なぜ土石流が何度も時間差で発生(盛土の複数回崩壊)したのかまでは解明できなかった。これらの解明は、今回の災害の原因究明に必要であり、そのためには盛土の内部構造の解明が必須である。

北村は山下(大学院生)と、源頭部の未崩落の盛土で静岡県が5地点で掘削したボーリングコアの中の1地点のNo.3ボーリングコアを分析し、4層の「粒子の大きさが揃い、泥質物の少ない砂」からなる層厚4~19 cmの薄層を発見した(北村・山下, 2023)。そして、これらの砂層は高透水性を有し、長年に渡る地下水の流れで、部分的に空洞が形成された可能性があり、その状況で、大雨で地下水圧が増加し、7月3日に盛土の部分的崩落が起き、その崩落が再び地下水圧の上昇を起こし、崩落が繰り返した可能性を指摘した(北村・山下, 2023)。    
上記の調査では、1地点のボーリング掘削によるので、砂層の分布は不明だったので、本研究で静岡県が掘削した残りのボーリングコア試料を調査した。その結果、明らかになった重要なことは、次の3つである。

1.No. 3と4のボーリングコアで複数枚の淘汰の良い砂層を確認できたので、砂層が側方に少なくとも9.6 m連続する可能性があり、高透水性砂層の存在の確実性が高くなった。
2.放射性セシウム濃度の測定から、盛土の一部の場所では表層約2mの土砂が2011年3月中旬以降に盛られたことが明らかとなった。
3.黒色盛土層は褐色盛土層の上に重なると考えられていたが、指交関係(互いに舌状部をはり出していること)にあることが判明した。


この研究成果は、「静岡大学地球科学研究報告」に受理されました。下記の日時で詳細をご説明いたしますので、取材方よろしくお願いいたします。

日時 : 令和5年3月17日 14:00~
場所 : 静岡県庁東館10階 社会部記者室
会見者: 静岡大学・北村晃寿(TEL:054-238-4798 E-mail:Kitamura.akihisa[at]shizuoka.ac.jp ※[at]を@に変更してください)

【論文情報】

題名:静岡県熱海市逢初川の源頭部の黒色盛土層の放射性セシウム濃度と粒子組成の層位変化
誌名:静岡大学地球科学研究報告, 50号.
著者:北村 晃寿1, 2、矢永 誠人3、山下 裕輝4、中西 利典5

1:静岡大学理学部地球科学科
2: 静岡大学防災総合センター
3:静岡大学理学部放射科学教育研究推進センター
4:静岡大学大学院総合科学技術研究科
5:ふじのくに地球環境史ミュージアム


【発表内容】

◆ 研究の背景

2021年7月3日午前10時30分頃、静岡県熱海市伊豆山地区の逢初川沿いで土石流が発生し、伊豆山港に至り、相模湾へ流入した(図1)。その後の調査で、逢初川の源頭部にあった盛土が崩落していたことが判明した(静岡県、 2021a)。国土地理院(2021)は、2009年と2019年の地形測量データを比較し、同期間に形成された盛土の体積量を約56,000m3と見積もっており、そのうちの約55,500m3が崩落したと静岡県(2021a)は報告している。さらに、静岡県(2021a)は10時20分頃から12時10分までの間に3~10波の土石流が発生したと報告している。

静岡県の報告書を基に、木村(2021)は、盛土は三層構造で、2009年6月期前の盛土層、褐色の土砂、黒色の土砂の順に重なり、2021年7月3日の崩落崖は、褐色の土砂、黒色の土砂の境界付近にあたるとした。この解釈が正しいのならば、黒色の土砂は、褐色の土砂よりも崩落しやすい性質を有していた可能性があり、これは崩落原因の一つになりうる。なお、静岡県(2022)の検証委員会が2022年9月8日の最終会合で提示した「第7章 盛り土が崩壊に至る挙動の再現解析」では、盛土を上部盛り土(褐色盛土層)、下部盛り土(黒色盛土層)に大別し、上部盛り土の上に下部盛り土が重なるモデルを作成した。なお、地球科学では、地層累重の法則(上位の地層がより新しい)に従い、“下位”のものを下部とし、“上位” ものを上部とする。よって、地球科学の表記と静岡県は逆であるので、注意が必要である。

静岡県(2022)は空気~水~土骨格連成有限変形解析コード GEOASIAを用いて、上部盛り土と下部盛り土のそれぞれを均質とみなして、盛土崩壊に至る挙動の再現解析を行っている(図2)。その結果、250m3/日の水量で崩壊が起きうるとした。盛土崩落の再現解析を均質モデルから始めるのは妥当だが、より現実的なモデルへ展開する必要がある。なぜならば、次に述べるように、第一著者の調査から、黒色盛土層の構成物は不均質で、盛土内部には層構造があることが判明しているからである(北村, 2023)、これらの不均質性によって、静岡県のモデルから得られた知見、「崩壊に必要な水量(250m3/日)」は過大評価されている可能性がある。すなわち、「より少ない水量で盛土崩壊が起きていた」ならば、今後の防災対策に悪影響を及ぼしかねないのである。

北村ほか(2022a)は盛土最下端の未崩落の盛土の基底部を調査し、含礫砂層(0.1m厚)と亜円礫層(0.4 m厚)の累重からなることを確認した(図3)。前者の礫は火山岩の角礫である。後者の礫は堆積岩の亜円礫で、礫支持であり、礫間の砂質堆積物は放散虫化石を含む泥岩岩片と有孔虫を含むので、盛土の黒色の土砂の供給源の一部は沿岸堆積物であることを明らかにした。

北村・山下(2023)は、静岡県(2021b)が未崩落の盛土の5地点でボーリングコアを掘削したうちの黒色盛土層を掘削したNo. 3ボーリングコアを解析し、淘汰の良い砂(粒度の揃った砂)からなる厚さ4-19 cmの層を4層確認した(図4)。盛土・土石流堆積物の粒度組成と比べると、砂層の粒度組成は一峰性を示し、含泥率が低い点で異なり(図5)、より高い透水性を有する。したがって、これらの砂層に斜面地中水が集中し、部分的にパイプなどの大間隙が形成された可能性がある(新藤, 1993)。静岡県(2022)が報告した2019 年の盛土の小崩落(図3a)は大間隙の証拠であり、このような高透水性を有する砂層の存在が盛土崩壊の発生の原因の一つになった可能性があり(北村・山下, 2023)、また盛土の小崩落は盛土崩落の前兆現象であり、その有無は既存の盛土の安全性の評価指標になる。

これらの知見は、1地点のボーリングコアからの情報であり、高透水性を有する砂層の分布は未解明であった。そこで、静岡県から掘削した他地点のボーリングコアを検討した。コア試料の堆積相を記載し、試料の放射性セシウム濃度を測定し、堆積物の粒度組成を分析した。また、泥質物の全有機炭素(TOC)、全窒素(TN)及び全硫黄(TS)の含有量を測定した。

放射性セシウムの137Csは、1950年代以降の核実験や原子力発電所の事故で大気中に放出された。また、134Csと137Csは2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴う巨大津波による福島第一原子力発電所の事故で大気中に放射性セシウムが放出された。したがって、両方の放射性セシウムが検出されれば、2011年3月中旬の地表面(地面)を決定できる。

◆ 結果と議論

No.3ボーリングコアからは、137Cs は検出されたが、134Cs は検出されなかった(図5)。No.4ボーリングコアの深度1.95-2.00 m(以下、下位の134Cs含有層)と0.47-0.52 m(以下、上位の134Cs含有層)から、134Csと137Csが検出され(図6)、それらの134Cs/137Csはそれぞれ1.05と0.77である。前述の通り、福島第一原子力発電所の事故で放出された134Csと137Csの比はほぼ1(値の範囲は0.5-2.4)である(Momoshima et al., 2012)。したがって、No. 4ボーリングコアの下位か上位のどちらかの134Cs含有層が2011年3月中旬の地表面であることは確実である。

下位の134Cs含有層を2011年3月中旬の地表面とした場合には、上位の134Cs含有層は2011年3月中旬以降に事故由来の放射性セシウムを含む土砂を盛ることや降雨で土砂が流れて堆積したことで説明できる。一方、上位の134Cs含有層を2011年3月中旬の地表面とした場合には、2011年3月中旬以降に1.5 m掘って、事故由来の放射性セシウムを含む土砂を入れ、埋め戻してから、事故由来の放射性セシウムを含む土砂を覆うという一連の作業工程が必要となる。盛土形成の費用対効果の観点からは、下位の134Cs含有層を2011年3月中旬の地表面と考える方が合理的である。

 図1   熱海市伊豆山地区の土石流の流路と試料採取地点とボーリング掘削地点。a–c, e: 土石流の流路と試料採取地点である。数値は137Csの測定値で、白字は北村ほか(2022c)の測定で、赤字は静岡県(2021c)の測定である。No.1–8は静岡県(2021d)の試料採取地点。画像は地理院地図(2021) の写真番号48156と48158を使用https://www.gsi.go.jp/BOUSAI/R3_0701_ Heavyrain.html, 2022年3月1日引用。d: 崩落後の盛土の赤色立体地図で静岡県(2022)を一部改変。

図1
熱海市伊豆山地区の土石流の流路と試料採取地点とボーリング掘削地点。a–c, e: 土石流の流路と試料採取地点である。数値は137Csの測定値で、白字は北村ほか(2022c)の測定で、赤字は静岡県(2021c)の測定である。No.1–8は静岡県(2021d)の試料採取地点。画像は地理院地図(2021) の写真番号48156と48158を使用https://www.gsi.go.jp/BOUSAI/R3_0701_ Heavyrain.html, 2022年3月1日引用。d: 崩落後の盛土の赤色立体地図で静岡県(2022)を一部改変。

 図2   静岡県(2022)と本研究の盛り土断面図の黒色盛土層と褐色盛土層の境界の概念図。a: 静岡県(2022)の図7-4解析断面(解像度は元図のまま)、b: 静岡県(2022)の図7-5水理境界条件(cの領域を追加)。

図2
静岡県(2022)と本研究の盛り土断面図の黒色盛土層と褐色盛土層の境界の概念図。a: 静岡県(2022)の図7-4解析断面(解像度は元図のまま)、b: 静岡県(2022)の図7-5水理境界条件(cの領域を追加)。

 図3   熱海市逢初川源頭部の状況。a: 2019年の盛土の状況。 XとYは盛土の断面線。静岡県(2021b)を一部改変。b: 崩壊した盛土の状況とボーリングコアと地点Fの位置図。静岡県(2022)を一部改変。c: 盛土の断面、静岡県(2022)を一部改変し、XとYはaに示した。2022年11 月21 日引用。 d: 地点Fの露頭の柱状図。北村ほか(2022a)を一部改変。

図3
熱海市逢初川源頭部の状況。a: 2019年の盛土の状況。 XとYは盛土の断面線。静岡県(2021b)を一部改変。b: 崩壊した盛土の状況とボーリングコアと地点Fの位置図。静岡県(2022)を一部改変。c: 盛土の断面、静岡県(2022)を一部改変し、XとYはaに示した。2022年11 月21 日引用。 d: 地点Fの露頭の柱状図。北村ほか(2022a)を一部改変。

 図4   No.3ボーリングコアの柱状図、淘汰の良い砂層の写真と粒度組成、盛土と土石流堆積物の粒度組成。北村・山下(2022)。

図4
No.3ボーリングコアの柱状図、淘汰の良い砂層の写真と粒度組成、盛土と土石流堆積物の粒度組成。北村・山下(2022)。

 図5   No. 3ボーリングコアの柱状図、堆積物の平均粒径、標準偏差、含泥率、全硫黄濃度、137Csの層位変化。放射性セシウム濃度の白丸は検出限界未満を示す。

図5
No. 3ボーリングコアの柱状図、堆積物の平均粒径、標準偏差、含泥率、全硫黄濃度、137Csの層位変化。放射性セシウム濃度の白丸は検出限界未満を示す。

 図6   No.4ボーリングコアの柱状図、堆積物の平均粒径、標準偏差、含泥率、全硫黄濃度、137Cs、134Csの層位変化。放射性セシウム濃度の白丸は検出限界未満を示す。

図6
No.4ボーリングコアの柱状図、堆積物の平均粒径、標準偏差、含泥率、全硫黄濃度、137Cs、134Csの層位変化。放射性セシウム濃度の白丸は検出限界未満を示す。

No.4ボーリングコアは土質力学試験のために0.5 mごと試料が無い状態であるにも関わらず、2層の砂礫互層と1層の礫層が確認された(図6,7)。No. 3ボーリングコアから134Csが検出されなかったので、2本のボーリングコアの連続性は不明であるが、ともに複数枚の淘汰の良い砂層を確認できたことから、砂層が水平距離で少なくとも9.6 m連続する可能性がある。また、No. 4ボーリングコアから砂層に随伴した礫層を確認したので、海側に向かうと粗粒化する可能性がある。

No.5ボーリングコアでは深度1.92-1.97 mから134Csと137Csが検出され、その134Cs/137Csは1.43である(図8)。この値は、福島第一原子力発電所の事故で放出された134Cs/137Csの値の範囲内であり、134Csの供給源は同事故以外には該当する事象はない。この134Cs/137Cs(1.43)は、No.4ボーリングコアの下位の134Cs含有層の値(1.05)のほうが上位134Cs含有層の値(0.77)よりも近いので、我々はNo.5ボーリングコアの134Cs含有層をNo. 4ボーリングコアの下位の134Cs含有層に対応すると考えた。この解釈が正しいとすると、No.4とNo.5ボーリングコアでは、深度約2 mより上の土砂は2011年3月中旬以降に盛られたものと推定される(図8)。

静岡県(2022)の報告書の「第7章 盛り土が崩壊に至る挙動の再現解析」の図7-4解析断面と図7-5水理境界条件を比べると、No.5ボーリングコアは上部盛り土(褐色盛土層)に対応する(図2)。そうすると、本研究の結果と合わせると、2011年3月中旬以降に下部盛り土(黒色盛土層)と上部盛り土(褐色盛土層)がともに埋め立てられたことになり、部分的かもしれないが、従来の見解―上部盛り土(褐色盛土層)を下部盛り土(黒色盛土層)が覆う―とは異なる。この場合、両者の境界線は単純な曲線ではなく、指交関係(互いに舌状部をはり出していること)になる(図2)。


【本研究成果の社会的意義】

熱海市伊豆山地区の逢初川沿いで起きた土砂災害を踏まえ、国土交通省は全国調査を行い、点検が必要な盛土は36,000箇所以上あると報告したが、報告書には、既存の盛土の災害危険性の具体的評価指標は示されていない。一方、2022年5月27日に公布された「盛土規制法」の第四条には、「(略)、宅地造成、特定盛土等又は土石の堆積に伴う崖崩れ又は土砂の流出のおそれがある土地に関する地形、地質の状況その他主務省令で定める事項に関する調査を行うものとする 。」とある。しかし、地形・地質の状況を評価する具体的基準は示されていない。伊豆周辺では、2021年7月1日から大雨となっていたが、土砂災害は伊豆山地区の土石流だけである。これは、災害危険性としては、逢初川源頭部の盛土が最大であったことを示す。よって、その崩壊の原因究明で得られる知見は、「盛土規制法」の実効性の確保と「既存の盛土の災害危険性の評価基準」の策定に必須の情報を提供する。

本研究で、黒色盛土内には、上下の土砂よりも粒子の揃った砂や礫からなる層が分布している。この層の採取場所としては海浜や河川が考えられ、主体をなす土砂の採取場所とは異なる。そして、本調査で、横方向に少なくとも9m以上は続く可能性があることが分かった。したがって、北村・山下(2023)の提唱した盛土崩落に関する次の仮説を強く裏付けた。すなわち、砂層は、10年間に及ぶ地下水の流れで、部分的に空洞化し、それらの一部は2019年に空洞の上にあった土砂が空洞に落ち込み、盛土表面に小崩壊の窪みができた。空洞に落ち込んだ土砂体には裂罅があるので、依然として高透水性を有し、かつ地表水が盛土内に直接流入するルートとなる。この状況で、大雨によって地下水の圧力が増加し、2021年7月3日に遂に盛土が部分的に崩落し、その崩落が再び地下水圧の上昇をもたらし、崩落が繰り返した。この仮説を図9に示すが、この図は今回のプレスリリースの用に作成したもので、今回公表した北村ほかの論文には掲載されていない。

本調査の放射性セシウム濃度の測定により、初めて科学的に2011年3月中旬以降にも下部盛り土(黒色盛土層)と上部盛り土(褐色盛土層)の両方で土砂が盛られていたことが確認された。また、従来の「盛土の上下二層構造」の少なくとも一部では修正が必要であることが分かった。

 図7   No. 3,4のボーリングコアの柱状図と砂層、砂礫互層、礫層の粒度組成。No.3のボーリングコアの粒径組成は北村・山下(2023)に基づく。

図7
No. 3,4のボーリングコアの柱状図と砂層、砂礫互層、礫層の粒度組成。No.3のボーリングコアの粒径組成は北村・山下(2023)に基づく。

 図8   放射性セシウム濃度に基づくNo.4ボーリングコアとNo.5ボーリングコア試料の対比。静岡県(2022)を一部改変。

図8
放射性セシウム濃度に基づくNo.4ボーリングコアとNo.5ボーリングコア試料の対比。静岡県(2022)を一部改変。

 図9   土石流の発生過程の復元(北村私見)

図9
土石流の発生過程の復元(北村私見)

【用語説明】

放射性セシウム 134Cs と137Cs
放射性セシウム 134Cs と137Csはともに人間が作り出した放射性物質であるが、その由来は必ずしも同じではない。137Cs はウランの核分裂により生成するが、134Csは核分裂で直接に生成する放射性物質ではなく、核分裂生成物の一つである133Xeのベータ壊変により生じた133Cs(非放射性)と中性子との反応により生ずるものである。したがって、放射線測定の結果として、134Cs と137Cs の両者が検出されれば、その放射性セシウムは原発事故に由来するものと断定される。他方、 137Cs だけが検出された場合には、大気圏核実験に由来するものとなる。ただし、137Cs の半減期が約 30 年であるのに対し、134Cs の半減期は約2年と短いため、もともとの汚染レベルが低い場合には、原発事故から時が経過すればさらに放射能が弱くなるため、134Cs の検出が困難になることもある。


【引用文献】
・北村晃寿(2023), 熱海土石流に関する地球科学的研究 環境と測定技術, 50, 33-42.
・北村晃寿・山下裕輝(2023), 静岡県熱海市逢初川の源頭部の盛土中の淘汰の良い砂層 静岡大学地球科学研究報告, 50.
・北村晃寿・亀尾浩司・本山 功・守屋和佳・齊藤 毅・渡辺真人・森 英樹(2022b), 静岡県熱海市伊豆山地区の土砂災害現場の盛土に含まれる軟質泥岩礫 第四紀研究, 61, 143–155.
・北村晃寿・山下裕輝・本山 功・中西利典・森 英樹(2022a), 静岡県熱海市逢初川の源頭部の盛土下端部の露頭調査. 静岡大学地球科学研究報告, 49, 61–72.
・北村晃寿・矢永誠人・岡嵜颯太・片桐 悟・中西利典・森 英樹(2022c), 静岡県熱海市逢初川の砂防堰堤の埋積土の放射性セシウム濃度と粒子組成の層位変化 ―2021年7月3日の土石流堆積物の識別― 静岡大学地球科学研究報告, 49, 87–96.
・木村克己(2021), 熱海市の逢初川土石流災害の地形・地質的背景 深田地質研究所年報, No.22, 185–202.
・国土地理院(2021), https://www.gsi.go.jp/tizu-kutyu.html 2021年7月4日引用
・Momoshima, N., Sugihara, S., Ichikawa, R. & Tokoyama, H. (2012)、 Atmospheric radionuclides transported to Fukuoka, Japan remote from the Fukushima Dai-ichi nuclear power complex following the nuclear accident. Journal of Environmental Radioactivity, 111, 28-32.
・新藤静夫(1993), 斜面災害における地中水の集中流現象 第四紀研究, 32, 315–322.
・静岡県(2021a), 第1回逢初川土石流の発生原因調査検証委員会配布資料(1~17).
・2021年9 月7 日開催 http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke350/sabouka/r3hasseigenninncyousakennsyouiinnkai.html 2022年4月24日引用
・静岡県(2021b), 第2回逢初川土石流の発生原因調査検証委員会 http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-350/sabouka/documents/2kennsyouiinnshiryou1-5.pdf  2022年8月15日引用.
・静岡県(2021c), 熱海市伊豆山地区土砂災害現場の土壌の放射能調査結果 https://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/genshiryoku/atamishiizusanhousyasen.html 2022年3月24日引用
・静岡県(2021d), 熱海市伊豆山地区土石流土質調査結果(速報) https://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-350/documents/kisyateikyou_doshitucyousakekka.pdf  2021年9月9日引用
・静岡県(2022), 逢初川土石流の発生原因調査結果について http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-350/sabouka/aizome_dosekiryuugeninkyuumei_rist.html  2022年12月14日引用


【各研究機関の役割】

各研究機関の役割は以下の通りです。

静岡大学:試料採取、粒度組成、放射性セシウム濃度の測定、 全体総括、論文執筆
ふじのくに地球環境史ミュージアム:泥粒子の有機炭素、 窒素、 硫黄分析

申込み方法・問い合わせ先:

静岡大学理学部地球科学科・防災総合センター
北村 晃寿
TEL:054-238-4798
E-mail:kitamura.akihisa[at]shizuoka.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

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