令和5年度静岡大学秋季学位記授与式を挙行しました
令和5年9月11日及び12日に令和5年度静岡大学秋季学位記授与式を挙行しました。
式典は静岡キャンパス(大学会館ホール)、浜松キャンパス(S-Port大会議室)それぞれの会場で挙行し、本学が取り組んでいるアジアブリッジプログラム(ABP)※ 学士課程の第5期生及び修士課程の第7期生を含む、学部卒業生48名、大学院修士課程修了生42名、大学院博士課程修了生12名、13ヶ国の学生が卒業・修了を迎えました。
日詰学長からは、
「新型コロナウイルス感染症の影響で学びや研究に大きな制約が伴う困難な状況の中にあっても、皆さんは決して落胆することなく、与えられた時間の中で、勉学を続けてこられました。このように特別な状況にあっても、皆さんが困難を克服するために払われた努力は称賛に値するものです。」
「静岡大学は皆さんの母校です。卒業生・修了生として、気軽に静岡大学へ戻ってきてください。社会で活躍する皆さんと再会できることを心より楽しみにしています。」
との告辞が英語でありました。
これに対し、卒業生・修了生を代表して、理学部地球科学科 NGUYEN MANH TOAN(グエン マン トアン)さん(静岡キャンパス)、創造科学技術大学院 自然科学系教育部光・ナノ物質機能専攻 MIRASOL EMIE SALAMANGKIT(ミラソル エミー サラマンキット)さん(浜松キャンパス)から、学長をはじめとする教職員等への謝辞がありました。
※アジアブリッジプログラム(ABP)
国際展開をする静岡県の企業、並びに自治体との連携の下、静岡とアジア諸国の架け橋として活躍する「理工系の専門性+経営学的思考、文系の専門性+理工学的思考を持つ技術と経営を俯瞰できる中核・中堅人材の育成」を目的とした静岡大学のプログラム
令和5年度秋季学位記授与式 学長挨拶
静岡大学両キャンパスの総勢102名の卒業生・修了生に対し、静岡大学を代表して心よりお祝いを申し上げます。昨年の学位記授与式はCOVID-19がまだ収束をしていない状況でしたが、感染予防を施し卒業生・修了生全員が出席して式典を実施しました。今年は、日本社会において、5月以降COVID-19の取り扱いが緩和され、従来の落ち着きを取り戻しつつあることから、これまで通り秋季学位記授与式を行うことができるようになりました。そのことを、私は大変うれしく思っています。
さて、本日皆さんは様々な専門分野で学位を取得されました。これまで母国とは異なる環境の中で、お互いに切磋琢磨しながら研鑽を積み重ねてきた皆さん一人一人の努力に心より敬意を表します。そして、これまでの皆さんの学びや研究の成果がこれからの人生においても大いに役立つことを願っています。
皆さんのご家族や友人、そして皆さんを支えてきた周囲の人々も、皆さんの卒業・修了を喜ばれていることでしょう。今日、皆さんがそれぞれの学位を得ることができたのも、これらの方々のおかげであると思います。
3年前から日本でもCOVID-19がまん延し、その影響は皆さんの学びや研究に大きな制約をもたらしました。しかし、そのような困難な状況の中にあっても皆さんは決して落胆することなく、与えられた時間の中で、それぞれの課程を終えるべく勉学を続けてこられました。私は、このように特別な状況にあっても、皆さんが困難を克服するために払われた努力は称賛に値するものであると考えています。
皆さんもご存じのように、COVID-19は世界中の大学の教育や研究に様々な影響をもたらしました。静岡大学でも、皆さんがウイルスの感染から守られるように、オンライン教育の拡大に取り組みました。そして、このような授業の形態が新たな可能性を持っていることがわかりました。今後、これまでの経験をもとに、対面とオンラインを組み合せた授業をさらに発展させていていくことが期待されていると言えます。
しかし、COVID-19の影響でオンライン授業が多くなされたことにより、マイナスの面も指摘されるようになりました。私たちは、オンライン授業が多く採用されることにより、皆さんがお互いに語り合い、親しい関係を築いたりする機会が奪われてしまったということも理解しています。そして、残念なことにCOVID-19は3年余りの間、皆さんが国境を越えて移動することを阻み、世界中の人々との交流を行うことを難しくしてしまいました。しかし、今年5月8日以降は、そのような制約が緩和され、以前の状況に戻りつつあることは歓迎すべきことだと思います。
私たち教員は、これまでCOVID-19の感染という特別な環境の中で教育研究活動を進めてきました。私は、そのような状況の中にあっても、世界中の大学教員がポスト・コロナの時代を想定して様々な教育・研究を進めていたことを知っています。そのような取り組みは、自由な研究活動が保証されているアカデミアであるからこそできることではないかと思います。そして、私は、このような困難な時期を乗り切り、様々な学問領域で世界中の大学教員が連帯して、新しい社会を切り拓く取り組みを進めてきたことは、実に素晴らしいことではないかと考えています。このような研究者の連帯が今後も一層発展していくことを心より期待したいと思います。
ところで、本日この式典に参加している留学生の多くは「アジアブリッジプログラム(ABP)」に所属していると思います。私たちは、静岡県内の企業の要請を受けて、8年前にこのプログラムを開始しました。静岡県内企業の多くはアジア各国に進出しており、そこで働く現地の人々と会社とを橋渡しする人材を求めています。このような企業は、ABPの学生を経済的に支援する奨学金制度を創設するために多くの寄附を寄せて下さいました。幸いなことに、ABPの卒業生の多くがこれらの企業に就職し、そこで期待通り重要な役割を果たしています。
ABPは、このプログラムがはじめから企業のサポートを受けていること、そしてかつてないほど多様性に富んだ教育・研究環境をもたらしてくれたことでも、静岡大学にとって新たなページを開くものとなりました。このプログラムが始まるまで、多くの日本人学生は、留学生と共に英語で授業を受け、研究について外国語でディスカッションをすることは稀なことでした。それが、ABPのプログラムにより可能となりました。私は、ABPに所属する留学生の皆さんが、静岡大学にこのような新たな環境をもたらして下さったことに心から感謝をしています。
もちろん、私たちはABPのプログラム以外にも、博士課程やその他のコースに多くの留学生を受け入れてきました。これらの留学生の皆さんも静岡大学の多様性に大きな貢献をして下さっており、そのことに心より感謝をしたいと思います。
最後になりますが、静岡大学は皆さんの母校です。そして、私たちはみなさんとこれからも繋がっていたいと思います。皆さんは、この後も卒業生・修了生として、是非気軽に静岡大学へ戻って来てください。私たちは社会で活躍する皆さんと再開できることを心より楽しみにしています。
今一度、皆さん一人一人に心よりのお祝いの言葉をお伝えして、私からの挨拶とさせていただきます。