令和6年能登半島地震に伴う石川県金沢市田上新町と内灘町における土砂災害の調査速報

2024/03/22
プレスリリース

静岡大学理学部/防災総合センター長の 北村 晃寿 教授、金沢大学理工研究域地球社会基盤学系の ジェンキンズ ロバート准教授、砂防図書館の 石川 芳治 館長の共同研究グループは、令和6年能登半島地震に伴う石川県金沢市田上新町と内灘町における土砂災害を調査し、田上新町の盛土崩壊の原因究明に関する重要な情報を得ました。

2024年1月1日 16時10分に石川県能登地方において、深さ約15 km でマグニチュード(M7.6)の地震(令和6年能登半島地震)が発生しました。
この地震により、石川県金沢市田上新町の崖地の一部で盛土崩壊が起きました。
また、石川県内灘町西荒屋一帯で液状化・流動化現象(※1)が発生しました。

本研究では、両地点で、現地調査を行うとともに、盛土の土砂や噴砂した砂などを採取し、粒度分析を行いました。
その結果、盛土の一部は、粒子の大きさが良く揃った軟弱な細粒砂であることが分かりました。

これらの知見は、将来、金沢市とその周辺の地震防災対策に活用されることが期待されます。

本研究成果は、2024年3月2日付で日本第四紀学会の「第四紀研究」に受理され、2024年5月にJ-STAGEに公開予定です。

【掲載論文】

雑誌名:第四紀研究
論文名:令和6年能登半島地震に伴う石川県金沢市田上新町と内灘町における土砂災害
著者名:北村晃寿1,a, 2,石川芳治3,Robert G. Jenkins4

1 静岡大学理学部地球科学教室 〒422-8529 静岡県静岡市駿河区大谷836
2 静岡大学防災総合センター 〒422-8529 静岡県静岡市駿河区大谷836
3 砂防図書館 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-4
4 金沢大学理工学域地球社会基盤学系 〒920-1192 石川県金沢市角間町
a 責任著者: kitamura.akihisa[at]shizuoka.ac.jp ※[at]を@に変更してください


【用語解説】

※1 液状化・流動化現象

粒子間に隙間がある時、地表近くでは水が満たされていることがあります。この水を間隙水と言い、その圧力を間隙水圧と言います。地震動は、間隙水圧を上昇させます。その結果、粒子間の接点で支持していた地圧と間隙水圧が平衡に達し、粒子は間隙水中に浮遊します。これを液状化現象と言います。間隙水圧がさらに上昇すると、間隙水は低圧側(上方)へ移動します。これを流動化現象と言います。

本件に関するお問い合わせ先:

■ 研究内容に関すること
金沢大学理工研究域地球社会基盤学系 准教授
ジェンキンズ ロバート
TEL:076-264-6512/076-264-6513(地球事務室)
E-mail:robertgj[at]staff.kanazawa-u.ac.jp

静岡大学理学部地球科学教室 教授
北村 晃寿(きたむら あきひさ)
TEL:054-238-4798
E-mail:kitamura.akihisa[at]shizuoka.ac.jp

■広報担当
金沢大学理工系事務部総務課総務係
廣田 新子(ひろた しんこ)
TEL:076-234-6821
E-mail:s-somu[at]adm.kanazawa-u.ac.jp

※[at]を@に変更してください

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