【理学部】後藤 寛貴 助教 がS-wave『Sunday Nature』(12/21) に出演しました
エフエムしみず静岡(S-Wave)『Sunday Nature』のゲストコーナー(午前8時頃~)には、毎月第3日曜日に静岡大学の研究者が出演し、パーソナリティのしなっちさんと、最新の研究等について楽しくお話しています。
2025年12月21日(日)は、理学部の後藤 寛貴 助教 が出演。
専門である「発生生物学」分野で続けている「クワガタムシ」の研究や、その魅力・意義についてお話ししました。
■「発生生物学」専門に、「クワガタムシ」を対象に研究
専門は生物学で、中でも「発生生物学」という、生物がどうやって卵から成虫になるのか、オスメスの違いがどう生まれるのかといった分野の研究をしています。
昆虫を研究対象としており、特に「クワガタムシ」を扱っています。大学院生の頃からクワガタムシを対象とした研究を始め、現在も一貫して、大きく発達した「顎」がどうやって作られるのかという研究を続けています。
私の出身は北海道ですが、クワガタの北限はかなり北の方で、支笏湖の方まで生息しているんですよ。
■ 発生生物学の面白さ
クワガタムシの場合、オスとメスが全然違う姿になっています。ほとんどの生命の設計図は、同じ種類であれば同じものを使っているにも関わらず、最初の少しの遺伝子の違いでオスになったりメスになったり、しかもクワガタの場合はその形が全然異なります。そこに発生生物学の面白さを感じますね。
研究手法は、例えば性決定に関する研究の場合、オスとメスの違いに関わるのではないかという遺伝子候補の働きを止めて、メスになるのに必要な遺伝子の働きを止めるとメスになりきれない、もしくはオスになるのではないかと仮説を立てて調べます。遺伝子レベルでの実験、ホルモン研究、異なる飼育条件での観察などを行い、夏には1,000匹以上のクワガタを飼育しています。また、高校の生物部と共同で、クワガタの幼虫に共生している微生物の研究も行っています。
オスしか顎が大きくならないのは、大きい方が喧嘩に強く、繁殖に成功しやすくなるためたくさん子孫を残せます。その子供も大きい顎を持ち、それがどんどん積み重なって、あのような形になっていったと考えられます。
オスとメスの形状の違いもありますが、同じ種類のオス同士でも、幼虫の頃の栄養状態の違いで大きさにばらつきが出ます。栄養がどのように体のサイズや顎の形に変換されるのかということも研究しています。
■クワガタを大きく育てるには?
クワガタムシを大きく育てるには、餌の質と量が重要です。どの栄養素が成長に良い影響を与えるかは、クワガタの種類ごとに異なりますが、製品として市販もされています。有名なクワガタだと、キノコを育てる際の菌床を餌として用います。
クワガタは夏の生き物のため、暑さに強いと思われている方が多いと思いますが、実は意外と暑さに弱い生き物です。日光に当てた方が良いような気がしますが、そうするとすぐ死んでしまいます。玄関など、あまり暑くならない少し涼しいところや、家の中で飼うことをお勧めします。
クワガタは見た目がかっこいいのはもちろんですが、生物としてもとても面白いところがあるので、手にした際にはよく観察し、愛情を持って飼ってほしいですね。
■クワガタ研究の意義と今後の展開
クワガタやカブトムシは非常に人気のある昆虫で、その市場規模は100億円とも言われています。図鑑記述などの基本情報の蓄積、専門誌への寄稿やメディア出演を通じて、知見を広めたいです。
現在のような研究がビジネスに直結する機会は少ないですが、基礎研究が予期しない応用につながることもあります。
農学部では農作物に害を与えるような害虫の研究を行うことが多いですが、理学部で虫を扱っているのは私だけですね。
現在、かなり研究室の学生が増えており、それぞれの学生の興味に合わせてクワガタにまつわる様々なテーマを設定し、どんどん研究の範囲を広げているところです。最近は、クワガタの研究がしたくて静岡大学の理学部生物科学科を選んだという学生も増えてきて、嬉しく感じています。これからも学生たちと一緒に、クワガタ研究の新しい成果や面白さを発見していきたいですね。
楽しい環境・エコ・自然科学の入門!
S-Wave『Sunday Nature』(日曜朝7:30~9:00)放送中!
静岡大学の研究者は、第3日曜日 朝8:00~出演!
次回の静岡大学の研究者の出演は、1月18日 (日)です。
■ 出演番組: エフエムしみず静岡(S-Wave)『Sunday Nature』(毎週日曜 朝7:30~9:00)
放送はサイマルラジオで全国どこからでもお聴きいただけます。(同時放送のみ、アーカイブはございません)
ぜひお聞きください。



