静岡大学の2つの森から生まれた椅子 「みぢかな木の家具」プロジェクト研究所
静岡大学静岡キャンパスは「森のキャンパス」です。1960年代のキャンパス移転以降に育ち、成長してきた樹々に覆われた里山林が広がっています。
近年、日本では暮らしの変化に伴う里山林の放置が社会的問題となっているなかで、静岡大学では森林の育成・生態・教育・利用を専門にする研究者たちが分野横断型チームを作り、学生や地域の方々とともに、キャンパスの自然環境を活用した里山林の育成と利用に関するローカルモデルの構築に関する研究に取り組み始めました。
静岡市近郊が日本有数の木製家具産地の一つであるという産業的立地も考慮し、家具として製品的に利用されながら、里山の木が再び暮らしのなかで使われることで、里山林が定期的に整備され、生物多様性も維持される森づくりを目指しています。
今回、里山林の育成的利用の第一段として、3脚の椅子を製作しました。
椅子の座面に使われている木は、キャンパスの森で育ち、2025年2月に森に陽を入れるために伐られたクリの木です。そして、椅子の背や脚部には、もう一つの静岡大学の森である農学部附属地域フィールド科学教育研究センター森林生態系部門天竜フィールドの「100年生の森」(1922年植栽)から採られたヒノキが使われています。
静岡大学のそれぞれの森から運ばれた木々は「ヨキカグ・プロジェクト」のコーディネートの下で、静岡市の製材所や家具メーカーを経て製品に生まれ変わり、2026年2月に椅子が完成しました。
今後、この椅子は、本学の一つの教室で家具として使われるだけでなく、里山林に関する学術的研究や産学連携による里山の木の価値創造を具体的に表現し、その内容を伝えていくモノとして、主に学内での展示やキャンパスの森における森林学習、静岡大学主催のセミナーなどにおいても活用していく予定です。
問い合わせ先:
静岡大学
人文社会科学部 経済学科・山岳流域研究院
「みぢかな木の家具」プロジェクト研究所
教授 横田 宏樹
E-mail:yokota.hiroki[at]shizuoka.ac.jp
※[at]を@に変更してご利用ください


