静岡大学開発の超小型衛星「STARS-X(愛称:しらいと)」軌道投入後の初期運用状況について
静岡大学が開発した宇宙テザー利用技術実験衛星『STARS-X(愛称/しらいと)』(実施責任者・静岡大学工学部・能見公博教授)を搭載したH3ロケット6号機(30形態試験機)の打上げが6月12日(金)に成功し、『STARS-X(愛称/しらいと)』は所定の軌道に投入され、運用を開始しました。
その後の初期運用状況をご報告いたします。
【工学部 能見公博 教授(STARS-X実施責任者)コメント】
まず、本プロジェクトに対し、打上げ前から多くの報道機関の皆様にご取材・ご報道いただきましたことに、心より御礼申し上げます。皆様からのご関心と温かいご声援は、プロジェクトメンバー一同にとって大きな励みとなりました。
STARS-Xは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の革新的衛星技術実証3号機の実証テーマの一つとして選定された親衛星と子衛星で構成される親子衛星であり、両衛星を結合する独自開発の結合機構を採用しています。この結合機構は、開発過程において最も多くの時間と労力を費やした技術の一つであり、特に地上での振動試験を重ねながら信頼性の向上に取り組んできました。打上げ後、ロケット運用側から衛星の正常な分離が報告されたことから、独自開発した結合機構を含む衛星構造が、打上げから軌道投入に至るまでの厳しい環境に問題なく耐えたことを確認しました。これは、本プロジェクトにおける重要な技術的成果であり、最初の大きな目標を達成することができました。
また、通信系についても良好な結果が得られています。子衛星については、ロケットからの分離直後より電波送信を自動で開始する設計としており、打上げ当日に地上局においてその信号を受信・確認しました。その後、地上局から送信したコマンドを子衛星が正常に受信したことも確認しています。
親衛星については、地上局から送信したコマンドにより電波送信を開始する設計としており、コマンドを正常に受信し、電波送信を開始したことを確認しています。これにより、親衛星・子衛星の双方との通信が確立されました。また、この結果は、親衛星と子衛星が打上げから軌道投入まで正常な結合状態を維持していたことを裏付けるものと考えています。
今後は、各機器の詳細な機能確認およびミッション運用を進めるとともに、独自開発した結合機構による親子衛星分離の実証など、ミッション達成に向けた運用を進めてまいります。
今後とも、本学の宇宙開発研究活動へのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
【超小型衛星STARS-X】
超小型衛星STARS-Xプロジェクトは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「革新的衛星技術実証3号機」の実証テーマに選定されました。選定されたテーマは、「宇宙テザー技術を用いたデブリ捕獲の技術実証」です。
6月12日(金) 9時53分59秒、静岡大学が開発した宇宙テザー利用技術実験衛星『STARS-X(愛称/しらいと)』(実施責任者・静岡大学工学部・能見公博教授)を搭載したH3ロケット6号機(30形態試験機)の種子島宇宙センター(鹿児島県)からの打上げが、無事に成功しました。『STARS-X(愛称/しらいと)』は、打上げ約16分4秒後に所定の軌道に分離されました。
【STARS-Xミッション】
STARS-Xは50kg級衛星で、これまでのSTARSプロジェクトの衛星と比較すると大型な衛星になります。今回のミッションは、宇宙空間でテザー(ロープ・ワイヤ)を1km伸展すること、テザー上をロボットが移動すること、そして、自衛星から放出したダミーの宇宙デブリ(ゴミ)をネットで捕獲する実験を行います。
【将来利用技術】
宇宙テザーを自在に操る技術を獲得、宇宙空間移動を目指し、将来的には宇宙エレベーターへと繋がります。また喫緊の課題である宇宙デブリ(ゴミ)問題に対し、宇宙空間移動は宇宙デブリへの接近技術へ、ネットによるダミー物体捕獲は宇宙デブリ除去へと繋げていきます。
問い合わせ先:
静岡大学 広報・基金課
TEL: 054-238-5179
E-mail: koho_all@adb.shizuoka.ac.jp
※[at]を@に変更してご利用ください
