国立大学法人 静岡大学

発酵研開発の野生酵母を用いたクラフトビールを商品化 —伊勢角屋麦酒との共同研究—

2026/06/29
研究

静岡大学 発酵とサステナブルな地域社会研究所(発酵研/所長:大原 志麻 人文社会科学部教授)は、クラフトビールブランド「ISEKADO」を展開する伊勢角屋麦酒(三重県伊勢市)と共同で、静岡由来の野生酵母を用いたクラフトビールを開発しました。本研究の成果は商品化され、「KADOLABO 038 Accidental Terroir」として販売が開始されています。

本取り組みは、静岡新聞にも掲載されました。詳細は以下のリンクをご参照ください。

■ 共同研究の背景
本研究は、野生酵母を活用したビールづくりに取り組む伊勢角屋麦酒との出会いをきっかけに開始されました。同社は、日本のクラフトビール業界の中でも国際的に高い評価を受けている醸造所で、発酵研が保有する野生酵母の新たな可能性を探るため、共同研究契約を締結しました。

■ 開発の概要と研究成果
今回のビールには、徳川家康が新茶を保存したとされる静岡市葵区井川の茶壷屋敷周辺のツツジから、発酵研が採取した野生の花酵母の中から選抜した3株を使用しています。これらを混合して発酵させることで醸造を行いました。発酵は100%オーク樽で行われ、独自の風味を引き出しています。
これらの酵母は、遺伝子的には糖を強く分解する性質を持つ可能性が示されていましたが、実際の発酵では過度に糖を分解することなく、穏やかで安定した発酵を示しました。
その結果、口当たりがやわらかく、雑味のないクリーンな味わいに仕上がり、発酵の進み具合も一般的なビール酵母と同程度で、高品質なビールが完成しました。

■ 地域資源を活かした取り組み
本研究は、静岡由来の微生物資源を活用し、新たな価値創出につなげた事例です。地域に存在する微生物の特性を活かした商品開発は、「テロワール」の考え方にも通じるものであり、地域資源の新たな活用可能性を示しています。
また、本学の研究成果が企業との連携により実際の商品として社会実装された点においても、意義のある取り組みです。

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