国立大学法人 静岡大学

【工学部】岡島いづみ 准教授が S-Wave『Sunday Nature』(7/19) に出演しました

2026/08/05
メディア

エフエムしみず静岡(S-Wave)『Sunday Nature』のゲストコーナーには、毎月第3日曜日に静岡大学の研究者が出演し、パーソナリティのしなっちさんと、最新の研究などについて楽しく紹介しています。

7月19日 (日)は、工学部の岡島 いづみ 准教授が出演。プラスチックのリサイクル技術バイオマスの利活用超臨界流体を活用した研究などについてお話しました。

■ プラスチックを資源として生かすリサイクル研究

工学部化学バイオ工学科で、「化学工学」という分野を専門として、化学に関わるものづくりや生産プロセスを扱っています。その中でも20年以上取り組んでいるテーマの一つが、「プラスチックのリサイクル」です。

プラスチックはかつて使い捨て材料というイメージが強くありましたが、本当に使い捨てでよいのかという議論は以前から行われてきました。私が取り組んでいるのは、使用済みのプラスチックを化学的に反応させて原料の状態まで戻し、再びプラスチックとして利用できるようにするリサイクル技術です。近年は環境問題への関心が高まる中で、リサイクル技術の重要性もこれまで以上に大きくなっています。一方で、社会のニーズに合わせて新しい種類のプラスチックが次々と開発されており、それに対応したリサイクル手法も求められています。

材料や社会の変化に応じて新たな課題が生まれるため、この分野の研究が途切れることはありません。持続可能な社会の実現に向けて、資源を繰り返し活用できる仕組みづくりに取り組んでいます。


■ 海藻から燃料をつくるバイオマスの利活用

もう一つの研究テーマが、「バイオマスの利活用」です。近年はカーボンニュートラルへの関心が高まり、植物や藻類などのバイオマス資源を活用する研究が注目されています。

現在は海藻類を中心に研究を進めており、水分を多く含む海藻を乾燥させることなく、そのまま高温の水の中で反応させることで、液体燃料などに変換できないかを検討しています。海藻は光合成によって二酸化炭素を吸収して成長するため、化石資源の代替として活用できれば環境負荷の低減にもつながります。

プラスチックとバイオマスは一見異なる研究テーマに見えますが、どちらも高分子と呼ばれる長い分子構造を持つ物質です。そのため、分子をどのように分解し、どのような形で利用していくかという点では共通する考え方も多くあります。元となる物質は異なっていても、研究のアプローチには通じる部分があり、資源の有効活用につながる技術として研究を進めています。

■ 超臨界流体が生み出す新しい可能性

研究では、「超臨界流体」と呼ばれる特殊な状態の物質も活用しています。一般的に物質には固体・液体・気体の3つの状態がありますが、それらとは異なる第4の状態として「超臨界状態」があります。例えば二酸化炭素は、特定の温度や圧力条件になると超臨界二酸化炭素となり、通常の二酸化炭素にはない性質を示すようになります。

私の研究では、水や二酸化炭素を超臨界状態あるいはそれに近い高温・高圧状態で利用しています。例えば水を高温の状態にすることで、プラスチックやバイオマスを分解する反応を進めやすくなります。一方、超臨界二酸化炭素には油などを溶かす性質があり、必要な成分を取り出す「抽出」の技術に利用することができます。

この技術はすでに実用化されている例もあり、唐辛子から辛味成分のカプサイシンを抽出したり、コーヒーからカフェインを除去してデカフェコーヒーを製造したりする際に活用されています。有機溶媒を使わずに成分を取り出せるため、安全性や環境負荷の面でも注目されている技術です。

こうした特殊な性質を生かしながら、新たな資源利用の可能性を探っています。

■ 資源を生かす技術をもっと身近に

研究を進める上では、新しい材料の入手が難しい場合があったり、目的とする成果を効率よく得るための条件を見つけるのに苦労することもあります。どのくらいの温度や圧力で反応させればよいのか、また実際に社会で活用できる技術にするためにはどのような条件が必要なのかを、一つひとつ検証していく必要があります。効率よく目的の成果を得るための条件を探ることは簡単ではありませんが、試行錯誤を重ねる中で新たな発見が生まれることも多く、それが研究の醍醐味の一つだと感じています。

近年はリサイクルや環境技術への関心が高まっており、企業との共同研究も数多く進めています。今後は、プラスチックのリサイクル技術やバイオマスの有効利用技術について広く発信していきたいと考えています。こうした技術があることを多くの人に知ってもらい、「こんな方法もあるんだな」「使ってみたいな」と感じてもらえるような成果につなげながら、資源を有効活用する技術の可能性をさらに広げていきたいですね。



楽しい環境・エコ・自然科学の入門!
S-Wave『Sunday Nature』(日曜朝 8:30~10:00)放送中!

静岡大学の研究者は、第3日曜日 朝 9:00~出演!
次回の静岡大学の研究者の出演は、8月16日 (日)です。

■ 出演番組: エフエムしみず静岡(S-Wave)『Sunday Nature』(毎週日曜 朝 8:30~10:00)



放送はサイマルラジオで全国どこからでもお聴きいただけます。(同時放送のみ、アーカイブはございません)


ぜひお聞きください。

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