国立大学法人 静岡大学

博士キャリア・イノベーションセミナーを開催しました -企業研究者の視点から博士人材の価値とキャリアを考える-

2026/10/28
ニュース

文部科学省の次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)事業の一環として、「博士キャリア・イノベーションセミナー」を10月19日に開催しました。
日本食品化工株式会社の 高田 正保 執行役員・研究所長を講師に迎え、「企業研究開発と博士人材の価値」をテーマに講演が行われました。SPRING事業支援学生をはじめ、博士課程や修士課程、学部の学生らが参加しました。

本学では、SPRINGの採択事業として、「静岡大学 光医工学とグリーン科学を基盤とした超領域博士人材育成プログラム」を実施しています。本セミナーは博士人材のキャリア形成を支援するとともに、社会的ニーズを理解し、イノベーションを創出できる人材の育成を目的として開催されました。

講演では、企業における研究開発の役割や、研究成果を社会実装へつなげる過程について、実際の研究開発事例を交えながら紹介されました。高田氏は、大学と企業の研究の違いについて、「大学が知の創造や学術の発展を目的とするのに対し、企業は研究成果を社会価値や事業価値へ転換することが求められる」と説明するとともに、企業では専門性に加え、多様な専門家と協働しながら成果を創出する研究マネジメント能力が重要であると述べました。

また、博士人材に求められる能力として、課題設定力や仮説構築力、論理的思考力に加え、コミュニケーション力やリーダーシップなどの「トランスファラブルスキル」の重要性を紹介しました。修士課程は与えられた課題を解決する力を養う場である一方、博士課程は解くべき課題そのものを発見する力を身に付ける場であると述べ、博士課程で培われる課題発見能力の価値を強調しました。

講演後には活発な質疑応答が行われ、博士人材の社会的評価やキャリア形成、研究の独創性などについて意見が交わされました。高田氏は、自ら問いを立て、仮説を構築し、検証を重ねながら課題を解決する力の重要性を説くとともに、自身の経験を交えながら、「考えても答えが出ないことは、まず実験してみることが大切」と述べ、積極的に行動することの意義を学生らに伝えました。

講演の最後には、「キャリアは設計するものでもあるが、完成させるのは出会いと運である」と述べ、挑戦することの大切さを呼びかけました。参加者にとって、博士課程で培われる能力の社会的価値や多様なキャリアの可能性について理解を深める貴重な機会となりました。

熱心に聴講する学生たち

熱心に聴講する学生たち

博士人材への期待を語る高田正保氏(日本食品化工株式会社 執行役員 研究所長)

博士人材への期待を語る高田正保氏(日本食品化工株式会社 執行役員 研究所長)

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