国立大学法人 静岡大学

静岡大学とヘラクレス王国を運営するMar-KPT、ヘラクレスオオカブト幼虫用飼育マットの共同研究を開始 -廃菌床を活用した高品質な昆虫飼育マットの開発と幼虫の成長性能を科学的に検証-

2026/10/30
プレスリリース

国立大学法人静岡大学(本部:静岡県静岡市、学長:日詰 一幸、以下「静岡大学」)と、ヘラクレスオオカブト専門店「ヘラクレス王国」の運営をはじめ、カブトムシやコオロギなどの昆虫養殖事業を展開する株式会社Mar-KPT(読み:マーケプト、本社:東京都港区、代表取締役社長:佐々木 皇太、以下「Mar-KPT」)は、静岡市産学交流センター「B-nest」(読み:ビネスト、以下「B-nest」)が実施する令和8年度の地域課題に係る産学共同研究委託事業(以下「本委託事業」)に採択され、ヘラクレスオオカブトの幼虫用飼育マットの研究・開発に関する共同研究契約を締結しました。

【共同研究の背景】

Mar-KPTは、静岡市を拠点にヘラクレスオオカブト専門店「ヘラクレス王国」を運営し、ヘラクレスオオカブトをはじめとするカブトムシや、ペットの生き餌・飼料として活用されるコオロギなど、昆虫の養殖事業を展開しています。中でもヘラクレス王国では、ヘラクレスオオカブトの養殖から販売までを一貫して行っており、より大型で健康な個体を安定的に育成するため、幼虫の成長に適した飼育環境や飼育マットの改良に取り組んできました。

ヘラクレスオオカブトは世界最大級のカブトムシとして知られ、その大きさから国内でも高い人気があります。一方、大型個体の育成には長期間を要し、幼虫期の飼育環境、とりわけ飼育マットの品質は成長を左右する重要な要素の一つです。

また、静岡県内を含むきのこ栽培の現場では、収穫後に使用済みの菌床(廃菌床)が発生します。Mar-KPTでは、こうした廃菌床を昆虫養殖に活用する可能性に着目してきました。

静岡大学理学部生物科学科の後藤寛貴講師は、昆虫の特異な形態形成の仕組みを解明する進化発生学研究の第一人者です。特に、クワガタムシやカブトムシなどを対象として、進化発生学や分子生物学の手法を用いながら、昆虫の角や大顎といった特徴的な器官の形成メカニズムや進化の過程を研究しています。

今回の共同研究では、後藤寛貴講師の研究知見とMar-KPTが実際の昆虫養殖事業で培ってきた飼育ノウハウを組み合わせ、廃菌床を活用した飼育マットがヘラクレスオオカブトの幼虫の成長に与える影響を科学的に検証します。


【研究の概要】

本研究では、廃菌床を原料として活用し独自に開発した幼虫用飼育マットと市販の飼育マット等を比較し、ヘラクレスオオカブトの幼虫の体重増加や成長過程などを継続的に計測します。

これにより、幼虫の成長に適した飼育マットの条件を明らかにし、大型のヘラクレスオオカブトの安定的な育成につながる高品質な飼育マットの開発を目指します。

さらに、得られた研究成果を昆虫養殖現場へ還元し、これまで廃棄されてきた大量の使用済み菌床を高付加価値な昆虫飼育資材として有効利用することで、地域資源の循環利用につながる可能性についても検証していきます。


【今後の展望】

共同研究によって得られたデータをもとに、幼虫の成長に寄与する飼育マットの原料や配合、飼育条件等について検討を進めます。

研究成果をMar-KPTが展開する昆虫養殖事業へ活用するとともに、将来的にはヘラクレスオオカブト向け飼育マットの販売に研究成果を活かすことも視野に入れています。


【研究者コメント 静岡大学理学部 生物科学科 講師・後藤 寛貴(ごとう ひろき)】

ヘラクレスオオカブトの成長にはさまざまな要因が関係しています。本共同研究では、実際の飼育で使用される様々な飼育マットを用いて、幼虫の成長を継続的に計測し、飼育マットの違いが成長にどのような影響を与えるのかを検証します。このような飼育データは、今後の廃菌床を利用した高品質なマット開発を支える基礎的な知見となると考えられます。大学が有する定量的な研究データの取得ノウハウと、企業が持つ実際の飼育現場や経験知を組み合わせることで、廃菌床を利用した高品質マット開発につながることを期待しています。


【株式会社Mar-KPT 代表取締役社長・佐々木 皇太 コメント】

私たちは静岡市でヘラクレスオオカブトをはじめとする昆虫の養殖に取り組む中で、「どうすればより大きく、長寿の個体を安定して育てられるのか」という課題に向き合ってきました。今回、静岡大学との共同研究によって、これまで飼育現場で蓄積してきた経験やデータを科学的な視点から検証できることを大変嬉しく思います。研究成果を実際の養殖現場へ還元し、より良いヘラクレスオオカブトを育てることはもちろん、地域で発生する未利用の農業副産物を用いて新たな価値を生み出すことで、静岡市から新しい産業の可能性を広げていきたいと考えています。


【参考】

■ 後藤 寛貴 について
静岡大学 理学部 生物科学科 講師。
1984年北海道生まれ。2012年に北海道大学で博士(環境科学)の学位を取得。
ワシントン州立大学、名古屋大学、国立遺伝学研究所での研究員などを経て、2021年より静岡大学 理学部 生物科学科に在籍。大学院生時代から20年間、クワガタムシの研究を行っています。

■ 株式会社Mar-KPTについて
Mar-KPTは、共創型ビジネスデザインカンパニーです。
「逆風を原動力に、価値ある事業を共創する」をミッションにかかげ、WEB総合コンサルティング、福祉事業、昆虫養殖をはじめとするLife & Commerce事業などの多事業展開を行っています。

<< 株式会社Mar-KPTの事業内容 >>
・人材課題解決支援(総合WEBコンサルティング領域、経営支援領域、DX支援領域)事業:https://mar-kpt.co.jp/business/
・就労継続支援B型事業所「ムチュウ発見ラボ」の運営:https://mar-kpt.co.jp/muchu-hakken-lab/
・昆虫養殖事業(ヘラクレス王国(販売サイト):https://store.hercules-kingdom.com/、ヘラクレス王国の飼育場(飼育情報サイト):https://mar-kpt.co.jp/beetle/ )

関連リンク

・後藤 寛貴( https://h-r-goto.wixsite.com/mysitehirokigotoh )
・株式会社Mar-KPT( https://mar-kpt.co.jp/ )
・ヘラクレス王国( https://store.hercules-kingdom.com/ )
・静岡市産学交流センター(B-nest)産学連携事業( https://www.b-nest.jp/shien/suishin/contract/ )

本件に関する
お問い合わせ先:

国立大学法人静岡大学 イノベーション社会連携推進機構
sangakucd[at]adb.shizuoka.ac.jp

株式会社Mar-KPT メディアチーム
media-team[at]mar-kpt.com

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