【教育学部|塩田研究室】じゃらんリサーチセンターとの共同研究により「キャリア教育プログラム」を開発

2023/07/03
ニュース

教育学部塩田研究室(准教授:塩田真吾)は、じゃらんリサーチセンター(JRC)との共同研究により、仕事だけでなく人生をどう豊かにするかに着目したキャリア教育プログラム「人生を楽しむキャリア教育―「好き」を分解してみよう【旅行編】」を開発しました。

本プログラムは、同研究室のホームページから無料でダウンロードしてご活用いただくことが可能です。
また、富士市立高等学校と私立浜松聖星高等学校で本プログラムを活用したキャリア教育の授業を行いました。

【取り組み背景】

塩田研究室では2つの問題意識をもっていました。
1つ目は、情報モラル教育の中の「端末の使い過ぎ」の問題に対して、そもそも子供たちの余暇として、SNSやゲーム以外の選択肢が充実していないのではないかという問題意識です。
2つ目は、現在の「仕事」中心のキャリア教育だけでよいのか、もっと「人生を楽しむ」というキャリア教育も必要ではないかという問題意識です。
このような背景から新たな教育プログラムを開発する研究の必要性を感じていました。

JRCでは、少子高齢化による人口減少で人々の余暇の過ごし方も多様化する中、国内旅行実施率が減少傾向であることを課題と捉え、次世代の若年層に旅行の価値を感じてもらい市場のさらなる活性化を目的として本研究に取り組むことと致しました。


【取り組み内容】

高校生を対象として「旅行」をテーマに、自分の「余暇」に対する視点を広げ人生をどう豊かにするかを考えるためのキャリア教育プログラム(教材)を作成しました。
表層的な好き嫌いによる余暇探しではなく、ニーズを元にした余暇探しの視点を体験できる内容になっています。「好き」をベースとして「してみたい旅行」探しをしていく仕組みです。

また、作成したプログラムを用いて、2023年5月25日に富士市立高等学校、6月16日に私立浜松聖星高等学校にてキャリア教育の授業を実施致しました。
参加した生徒からは「将来仕事以外の余暇も充実させるようにしたいです」、「これからたくさん旅行に行きたいと思った」といった声があり、授業に参加したことでキャリアにおける余暇の大切さや旅行への意欲が高まり、選択肢が広がった様子がうかがえました。

富士市立高等学校での授業の様子

富士市立高等学校での授業の様子

私立浜松聖星高等学校での授業の様子

私立浜松聖星高等学校での授業の様子

【担当者のコメント】

静岡大学 教育学部 准教授 
塩田真吾

じゃらんリサーチセンターと共同で、「好きを広げる」ためにハッシュタグを用いて「好きを分解する」というアプローチの教材を開発しました。
例えば、「サッカーが好き」を広げようとするとなかなか大変ですが、「サッカーが好き」の要素を分解してみると「#サッカーを見る/#友達と/#ドキドキ」となり、この「#友達と/#ドキドキ」するものを広げていけば、サッカー以外の選択肢を見つけやすくなります。
ぜひご活用いただければ幸いです。


株式会社リクルート じゃらんリサーチセンター 主任研究員
森戸 香奈子

本研究は、観光が裾野の広い産業であり、かつ多様性のある旅行ジャンルだからこそ実現できたキャリアプログラムだと思います。
「好き」を実現するための手法は一つではなく、その実現方法のひとつに旅行という選択肢が加わることで、若い世代の人々の世界が、より豊かに広がることを望んでいます。

JP / EN