木材を分解する微生物「白色腐朽菌」で地球環境の課題解決に挑む
現在、地球温暖化や環境汚染など、地球環境が危機的な状況にあります。地球温暖化は石油などの化石資源の利用に寄るところが大きく、環境汚染は、人類の豊かさを最優先に経済活動を進めたために起こったと言っても過言ではありません。
これらの問題を解決するために、「白色腐朽菌」と呼ばれる一群の微生物を使った研究を展開しています。
シイタケやヒラタケ、マイタケなど身近な食用キノコの仲間である白色腐朽菌は、木材の主要成分の一つ「リグニン」を高度に分解できる唯一の微生物です。
リグニンという難分解性高分子が細胞壁に堆積して木材を強固にしていますので、これを唯一分解できる白色腐朽菌は、自然界において「木材の分解者」として重要な役割を担っています。なお、リグニン(褐色成分)が分解されると、木材の色が分解後に残ったセルロースの白色に変わることから、その名がつきました。