青木 徹 (AOKI Toru) 放射線情報学

新たなイメージングデバイスを

第6期 静岡大学研究フェロー

放射線情報学

青木 徹

AOKI Toru

放射線を捉える、役立たせる放射線情報学

1968年7月生まれ、1996年静岡大学大学院博士課程修了、1996年静岡大学助手、2004年静岡大学准教授、2011年株式会社ANSeeN創設、2014年静岡大学教授、2022年静岡大学電子工学研究所副所長
2011年より第1期若手重点研究者、2019年より第4期研究フェロー、2022年より第5期研究フェロー、2025年より第6期研究フェロー。

Chapter01

発生した電荷を直接デジタルに変換するX線イメージングデバイスを実現

試作X線デバイスの外観
XRによる非接触操作3D-DICOMビューアー

電子工学研究所が率いる新学術分野「ナノビジョンサイエンス」では光子や電子をナノ領域で個々に取り扱う学心的な画像工学を目指しています。
この概念を取り入れてX線やγ線も広義の光の一種で、これまで研究を続けた光子を一つずつ取り扱うフォトンカウンティングイメージングデバイスを、発生した電荷を直接デジタルに変換するフォトン・電荷カウンティング型のX線イメージングデバイスに発展させました。

Chapter02

AIや機械学習の入力デバイスとして、さらにXR、メタバースへの活用を目指して

放射線イメージングの世界も、単に人間の目で見えると予想した透過像を目に見やすく表示する時代は過ぎ、波長情報を用いた材料識別など高次情報抽出を行うようなってきました。
目に見えない不可視情報を取り扱うAIや機械学習の入力デバイスとして、従来にも増して「物理的に正確なデータ」が重要となってきており、化合物半導体を駆使した直接変換型のフォトン・電荷カウンティングX線イメージングデバイスはこれを実現するデバイスとして、幅広い放射線に対応するよう研究を続けています。
また、ここから得られた新たな情報を人のために活用するためXRを活用した三次元表現やメタバースとしての不可視情報活用についても研究を進めています。

Chapter03

電子工学や材料工学も活用し、医学や人文社会学の研究者とも連携

放射線情報学は、これまで人が理解(認識)できなかった情報を人に繋ぎ、広義の情報学を通じて人に役立つ情報とする学問です。そのためには情報学はもちろん、電子工学も活用すれば材料工学も使う、もちろん医学や人文社会学の研究者とも連携してその構築を目指していきます。情報学はとても懐の広い学問分野です。
研究の成果は、静岡大学発ベンチャー企業の株式会社ANSeeNを中心に広く社会に還元しています。こうして今の最先端を社会へ届け、いつの日にかごく普通の、さらには当たり前すぎて忘れられる技術を目指します。でも、そこで得られる人と情報のコミュニケーションはどんどん拡張されて深くなっていくことでしょう。
一方で、できる限りの研究を続けていくとどんどん派生していきます。その特異なイメージング特性を得るために中性子のイメージングや発生器に挑戦したり、リアルタイム三次元プロセッシング技術はVtuberの新しいエンターテイメント技術のバックボーンとしても展開しています。幅広く奥深いこの情報学の世界で研究を大きく広げませんか。

[写真]青木 徹 (AOKI Toru)

第6期 静岡大学研究フェロー