香川 景一郎 (KAGAWA Keiichiro) 情報光学

知識・技術の融合で新しいイメージセンサを

第6期 静岡大学研究フェロー

情報光学

香川 景一郎

KAGAWA Keiichiro

コンピュテーショナルCMOSイメージセンサの開発

1973年生まれ、2001年大阪大学大学院博士後期課程修了、2001年奈良先端科学技術大学院大学助手、2007年大阪大学大学院情報科学研究科特任准教授、2011年静岡大学准教授、2020年静岡大学教授。映像情報メディア学会フェロー、IEEEシニアメンバー、2013年より第2期若手重点研究者、2025年より第6期研究フェロー。

Chapter01

イメージセンサと人工知能を組み合わせ、より正確な距離計測カメラを開発

カメラは人が鑑賞するために美しい写真を撮るための装置から、実世界を定量的に測るための装置に変化してきています。
空間パターンや時間的な局在性を制御した光を対象に当て、その反射光を画像として特別なカメラで捉えることで、生体のヘモグロビン量、酸素飽和度の3次元分布を捉える、人や車を含む周囲の3次元形状を計測するといったことが可能になります。
イメージセンサは光を電気信号に変換するカメラの基幹部品ですが、私は画素の中で高速に信号を多重化するコンピュテーショナルフォトグラフィと呼ばれる技術に基づくイメージセンサを開発しています。これを深層学習と組み合わせることで、シーンの距離を従来よりも正確に測ることができる新しいLiDARシステムを開発しています。

Chapter02

学内研究者と共同で、マルチタップイメージセンサの利便性・性能を向上

また、静岡大学電子工学研究所の川人祥二教授、安富啓太准教授らと共同で、マルチタップイメージセンサとよばれる画素内に複数のメモリをもつ特殊なセンサの応用研究を行っています。
例えば、今まで暗室でしか使えなかった生体計測技術を明るい部屋で利用可能にするなど、システムの利便性・性能の向上に取り組んでいます。

Chapter03

光学・イメージングセンサ・信号処理を融合した新技術で超高速撮像に成功

イメージセンサはカメラの部品であり、カメラもイメージングシステムの部品に過ぎません。しかし、光学像を作る光学系、光子を電子に変換するイメージセンサ、イメージセンサが出力するデジタル信号を処理する信号処理の全てを融合することで、従来達成できなかった性能・機能を実現できます。
この融合的な手法により、例えば、私は時間分解能1.65ナノ秒の超高速撮像に成功し、それを高解像度・高精度LiDARに応用しています。また、新しい応用はイメージセンサに新しい要求を突きつけ、新しいイメージセンサは人に新しい応用を想起させます。
このような相互作用により、イメージセンサと応用技術を同時に発展させることを目指しています。
そのためには電子技術に留まらず、光学、生物学、信号処理等々の幅広い知識と、融合的な思考が必要になります。当研究室ではこのような観点から、研究を通じた実践に基づく学生の育成を行っています。

[写真]香川 景一郎 (KAGAWA Keiichiro)

第6期 静岡大学研究フェロー