平井 浩文 (HIRAI Hirofumi) 環境生物化学

白色腐朽菌のチカラを活かして

第6期 静岡大学研究フェロー

環境生物化学

平井 浩文

HIRAI Hirofumi

白色腐朽菌を用いたバイオリファイナリー及びバイオレメディエーション

1969年10月生まれ、1997年九州大学大学院農学研究科博士課程修了、1999年静岡大学農学部助手、2004年静岡大学農学部助教授、2014年静岡大学農学部教授、2023年静岡大学グローバル共創科学部教授、2022年より第5期研究フェロー、2025年より第6期研究フェロー。

Chapter01

木材を分解する微生物「白色腐朽菌」で地球環境の課題解決に挑む

白色腐朽菌とは、身近な例ではシイタケ、ヒラタケ、エリンギ等のキノコが該当し、これらの菌は自然界において「木材の分解者」として、地球における炭素循環の一役を担っています。この様な白色腐朽菌は、現在の地球環境問題を解決できるとてもユニークな性質を有しています。
その一つが「バイオ燃料、プラスチック原料産生能」です。我々の研究グループは白色腐朽菌が好気的に水素を産生していることを発見し、これを実用化すべく、各種検討を行っています。
また、白色腐朽菌はリグニンを分解可能な唯一の微生物です。この能力を改変して、リグニンよりプラスチック原料を産生可能な菌の育種も進めています。

Chapter02

難分解性の環境汚染物質の分解・無毒化、そしてオーダーメイド型浄化菌の分子育種へ

さらに白色腐朽菌は異物代謝能に優れており、これを難分解性環境汚染物質の分解に応用し、様々な難分解性環境汚染物質の分解及び無毒化が可能であることを明らかにしました。
現在は本研究をさらに発展させ、これまで微生物分解が不可能だった難分解性環境汚染物質を分解可能な酵素の創出及び本酵素を産生するオーダーメイド型浄化菌の分子育種も行っています。

Chapter03

「キノコが地球を救う」時代を目指して

現在の地球環境は、地球温暖化や環境汚染など、様々な危機的問題を抱えています。これらを解決すべく、白色腐朽菌の様々なユニークな特性を理解し、これを地球環境問題解決に利用すべく、研究を行っております。
上述のように、白色腐朽菌で次世代バイオ燃料の筆頭格である水素を製造できるようにすることが、私の使命だと考えております。
また、木材中のリグニンよりプラスチック原料も製造出来るようになれば、水素製造と併せて、地球温暖化の解決に大きく寄与できると考えております。さらに、汚染された環境を高度に浄化可能な白色腐朽菌株の作出も行っております。
以上のような研究は世界的に見てもオンリーワンの研究であり、やりがいを日々感じながら、研究を展開しております。「キノコが地球を救う」、この様な時代が来るように、頑張ります!

[写真]平井 浩文 (HIRAI Hirofumi)

第6期 静岡大学研究フェロー