藤井 基貴 (FUJII Motoki) 教育哲学・道徳教育

これからの「教育」を創る

第6期 静岡大学研究フェロー

教育哲学・道徳教育

藤井 基貴

FUJII Motoki

人間はいかにして自律的思考を形成しうるか?

1975年12月生まれ。2005年名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程修了、2007年名古屋大学高等教育研究センター特任講師、2008年静岡大学教育学部准教授、2026年静岡大学教育学部教授。2013年より第2期若手重点研究者、2016年より第3期若手重点研究者。2022年より第5期研究フェロー、2025年より第6期研究フェロー。

Chapter01

教育学における「理論と実践の往還」とより質の高い教員の養成に取り組む

理論研究と実践研究を通して、教育学における「理論と実践の往還」を図るとともに、より質の高い教員養成・教員研修に向けて取り組みを進めています。
①理論研究
1)近代ドイツ教育学に関する思想的・歴史的研究
2)教員養成・研修の理念や制度及び学問の自律性に関する研究
3)研究倫理やリスク教育に関する研究
2019年に静岡大学で開催された「国際フッサール・カンファレンス」では、大会実行委員長として、世界哲学会議会長を務めたダーモット・モラン氏やローマ教皇庁社会科学アカデミー会員のヴィットリオ・ヘスレ氏らをはじめ、20名以上の哲学者を海外から招聘し、国際学会を実施しました。これらの成果は2025年に英国Routledge社よりCosmopolitan Husserl: From Transcendental Phenomenology to the Ethics of Renewalとして刊行されています。
②実践研究
「自律的思考」(Selbstdenken)を鍵概念として、その形成を目指す教育活動に関する実践的な研究を進めています。2020年に設立した「静岡大学現代教育研究所」を2024年に附属センターに改組し、学内外の研究者たちと現代的教育課題に関する教材・授業開発を推進しています。また、研究室では所属する学生たちと防災、SDGs、スポーツ倫理(スポーツ・インテグリティ)に関する教材開発・実践を重ねています。

Chapter02

教師を志す学生たちと共に新しい教材を開発し、地域の子どもたちに防災教育を実践

私は、大学時代に哲学を学び、大学院進学後は教育学を専攻し、前職で高等教育の研究に従事し、本学に着任してからは教育哲学と道徳教育を専門領域として研究活動を進めてきました。
東日本大震災以降、学生とともに防災教育の教材開発や授業づくりに取り組み、全国の学校教員や防災の専門家との協働を重ねてきました。これまでに、兵庫県等が主催する「1.17防災未来賞(ぼうさい甲子園)」において、「ぼうさい大賞」を含む計12回の受賞を重ねています。現在、研究室では「考える防災」「脅さない防災」「伝える防災」「支える防災」を柱として活動を展開しており、一般社団法人BOSAI Edulabおよび静岡防災教育推進協議会を設立し、産学官民の連携による防災教育の推進を図っています。

Chapter03

地域に根ざしながら、世界を展望できる人材を育成していきたい

私の研究室では「Footwork & Network」、「Challenge & Change」、「Response & Responsibility」をモットーとして、学生たちがどん欲に学び、行動することを奨励・応援しています。これまでに研究室に所属した学生たちの多くは、学校での訪問活動や海外留学などを経験し、卒業後も学校や保育園などの教育の場で実践を重ねています。今後も理論研究と実践研究を両輪として、地域に根ざしながら、世界を展望できる人材の育成に貢献できたらと思っています。
また、藤井研究室では「日本のBOSAIを世界へ」をテーマに、これまでに開発した教材を英語・スペイン語・インドネシア語に翻訳し、JICAや日本赤十字社等を通じて海外にも展開してきました。これらの取組は、静岡大学の優秀な学生たちの力によって実現されたものです。今後も学生とともに教育・研究活動を進めていきたいと考えています。

[写真]藤井 基貴 (FUJII Motoki)

第6期 静岡大学研究フェロー