一家 崇志 (IKKA Takashi) 植物栄養学

植物のチカラで食料・環境問題の解決に挑む

第6期 静岡大学若手重点研究者

植物栄養学

一家 崇志

IKKA Takashi

フィールドオミクス解析による植物機能の解明

1980年11月生まれ、2008年岐阜大学大学院博士課程修了、2009年農業生物資源研究所特別研究員、2010年静岡大学農学部助教、2017年静岡大学農学部准教授、2026年同教授。2022年Aoi Gin Craft Technology株式会社代表取締役、2026年同取締役。2024年S-Bridges株式会社取締役。2025年より第6期若手重点研究者。

Chapter01

分子・生理・環境の各階層から植物機能の多角的な解明に挑む

植物がどのように栄養を吸収・代謝し、環境ストレスに適応しているのかを、分子・生理・環境の各階層から多角的に解明する研究に取り組んでいます。
例えば、イオノーム(植物体内に含まれる無機元素のバランス)、トランスクリプトーム(遺伝子の発現状態の全体像)、メタボローム(代謝産物の種類や量の網羅的情報)といった多階層のオミクス解析技術を駆使し、植物の栄養吸収特性やストレス応答、代謝経路のダイナミクスを明らかにしています。
これらの知見は、作物の栽培技術や育種への応用だけでなく、環境との調和を重視した持続可能な農業の実現にもつながります。

Chapter02

実際の圃場などで得たデータを重視するフィールドオミクスの視点を生かして

実験室内の制御環境にとどまらず、実際の圃場などの現場で得られるリアルなデータを重視する“フィールドオミクス”の視点から、植物機能の解明と環境予測の統合を目指しています。
こうした取り組みは、農業の生産性向上と環境負荷低減を両立させるサーキュラーエコノミーの実装、そして生物多様性の保全に貢献するネイチャーポジティブな社会の実現につながります。

Chapter03

植物の潜在・適応能力を解明する面白さが、日々の研究の原動力に

植物のもつ潜在的な力と生きるための巧みさを、分子から環境スケールまで解き明かすことで、食料問題や地球環境問題の解決に挑んでいます。
資源循環を軸にサーキュラーエコノミーを実装することで、次の世代へ健全な地球を手渡すことをミッションにしています。プラネタリーバウンダリーの境界線が限界を超えないようにするための研究は、科学の最前線でありながら、社会の持続にも直結しています。
だからこそ、日々の疑問や「面白い」という感情を起点に行動を起こすことが、未来を切り拓く原動力になると信じています。その熱量を、学生はもちろん、多様な立場の人々と分かち合い、共に変化を生み出していきたいと考えています。

[写真]一家 崇志 (IKKA Takashi)

第6期 静岡大学若手重点研究者