望月 美希 (MOCHIZUKI Miki) 地域社会学・農村社会学

現場から問いを立ち上げるフィールドワーク

第6期 静岡大学若手重点研究者

地域社会学・農村社会学

望月 美希

MOCHIZUKI Miki

地域社会学の視点から災害復興を考える

1990年8月生まれ。2019年、東京大学新領域創成科学研究科博士課程修了。博士(環境学)。日本学術振興会特別研究員を経て、2021年より静岡大学助教、2024年同講師。2025年より第6期若手重点研究者。

Chapter01

災害後の生活復興は? フィールドワークなどの質的研究で明らかに

震災復興と「生きがいとしての農業」(筆者撮影)
福島原発事故で被害を受けた福島県浪江町(筆者撮影)

地域社会学、農村社会学を専門として、災害発生時の生活復興、防災のあり方について研究しています。特に東日本大震災により津波被害を受けた宮城県沿岸部における生活の復興、福島第一原発事故に伴う長期・広域避難の問題について、10年以上にわたりフィールドワークを続けてきました。

インタビューや参与観察といった質的研究法により、地域社会や被災した人々の長期的な生活復興に関する課題とそれに対処する人々の実践を捉えています。そこから見えてきたのは、生活変容と「生きがい」喪失の問題、そうした問題を地域社会においてどのようにケアをしていくのかという点です。こうした事柄について現場の人々と共に考えてきました。

Chapter02

静岡県内の防災活動や農山漁村の社会的課題に関する研究


西伊豆町における避難所立ち上げ訓練の様子

また、避難・移転を経験しながらも、元の土地に通いながら、震災前の生活の在り方を取り戻そうとする人々の姿もあります。なぜ人々は移転後も元の土地に通い続けるのか、その土地でなくてはならないのか、という問いから、最近では、人と土地の関係や、生活に内在する労働や生業の意味についても考えています。

研究室としては、災害や防災、農村における生活問題に関心を寄せる学生が集まっており、静岡県内の防災活動に関する研究や、中山間地域における地域課題・地域づくりの研究なども行っています。

Chapter03

災害を経験した人々の語りから考える「人間の復興」「人が生きるということ」


災害は人々の生活や人生を一変させる出来事であり、それは大きな喪失や痛みをもたらすものです。そうした状況から「人間の復興」に向けて、社会的に何が求められるのか、人々の「語り」をお聞きすると、日常生活に内在する生きがい、人と土地との関係、それを支えるケアのまなざしなど、災害の局面を見ることで「人が生きるということ」とは何かについて見えてくるものがあります。人が生きるということは、衣食住の保障だけで成立するものではなく、日々の生活の豊かさ、地域における社会関係、そして自らの生活や人生を主体的に選択することも同時に保障されなくてはなりません。それをどのように守っていくのかという問いが、社会的な課題としてあります。

最近では、静岡県内の災害対応や防災に関する研究も行っています。本学のある静岡県は、南海トラフ巨大地震による被害が懸念されるなど、災害と隣り合わせの地域です。そうしたなかでも、海や山と共に生きること、生活を守ることについて、今後も現場の人々と共に考えていきます。

[写真]望月 美希 (MOCHIZUKI Miki)

第6期 静岡大学若手重点研究者