山本 隆太 (YAMAMOTO Ryuta) 地理学・地理教育

フィールドでシステム思考する

第6期 静岡大学若手重点研究者

地理学・地理教育

山本 隆太

YAMAMOTO Ryuta

人間と自然の関係に関する地理学・教育学的アプローチ

1982年7月愛知県生まれ、東京都江戸川区育ち。2018年早稲田大学大学院博士課程修了。博士(学術)。2011年早稲田大学助手、2015年静岡大学学術研究員、2018年教職センター特任准教授、2020年地域創造教育センター准教授。2025年より第6期若手重点研究者。

Chapter01

人間が自然環境とどう関わってきたのか、相互関係のシステム論として捉える

地域において人間が自然環境とどのように関わってきたのかを研究するのが地理学です。人間と自然の関係を因果関係で決定論的に捉えようとすると、環境決定論に陥ります。決定論ではなく、もう少し緩やかにかつ俯瞰的・総合的に、お互いに影響しあう相互関係のシステム論として捉えることにより、地理学は地球環境問題や防災、SDGsに貢献してきました。特に地理学が生まれたドイツでは地理学=システム科学と理解されており、20年前からサスティナビリティーの視点が地理学にも地理教育にも大きな影響を与えており、参考になります。

Chapter02

ジオパークを活用した環境教育、フィールド×歴史×地図を組み合わせた防災教育などを推進

研究では、システム思考にデザイン思考を取り入れた地理教育、地域教育の推進に注力しています。持続可能な社会づくりに貢献するコンピテンシーとは何か、それはウェルビーイングにどうつながるかを研究しています。近年はジオパークを活用した環境教育や、地域史と現代防災情報をGISでつなげた防災教育の教材開発をしています。どちらもフィールドワークを通じた地域の実情に即した学びを探究するものです。国際的な連携も積極的に行っており、ドイツやスロバキアとの共同研究を通じて、地理教育やフィールドワークの開発、教員養成・研修のモデル構築にもコミットしています。

Chapter03

日常の中にあるシステムの変化から地域の本質を紐解き、未来をデザインする

システムという言葉を聞くとプログラミングやコンピューターを想起しがちですが、私たちの社会もシステムであり、自然環境も地球もシステムです。地球をシステムとして捉えようとした地理学者にアレクサンダー・フォン・フンボルトがいます。彼は南米大陸をはじめとする各地での野外調査を踏まえて、宇宙も含めてすべてがシステムであるという考えに至りました。彼の未完の大著「コスモス」のそのタイトルには、すべては数珠つなぎになった様々な事象の連鎖であるというメッセージが込められています。その思想は地理学を越境して、チャールズ・ダーウィンをはじめ数多くの学者に影響を与えました。
私たちの日常もシステムに溢れています。街の風景も山林田畑の景観も、様々な社会現象と自然現象が織りなすことでできており、そして常に変化しています。この変化を歴史地理的に過去にさかのぼっていくことで、その地域の本質を紐解きます。そして、これからの未来において何が変わるのか、何が残るのか、そして、何を創造したいのかを地域住民、学生とともに考えてデザインします。

[写真]山本 隆太 (YAMAMOTO Ryuta)

第6期 静岡大学若手重点研究者