内山 秀樹 (UCHIYAMA Hideki) X線天文学・科学教育

宇宙の解明と科学教育教材の開発

第6期 静岡大学若手重点研究者

X線天文学・科学教育

内山 秀樹

UCHIYAMA Hideki

天の川銀河の研究から、学校の理科教育と宇宙を繋ぐ

1982年4月生まれ、2010年京都大学大学院理学研究科博士号取得、2010年日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)、2013年静岡大学教育学部講師、2022年同准教授。2025年より第6期若手重点研究者。

Chapter01

X線観測で天の川銀河の高エネルギー活動性を解明

私は、X線で宇宙を観測する「X線天文学」に取り組んでいます。中でも、天の川銀河に広がる拡散X線放射(GDXE)の正体解明を通じて、銀河内の高エネルギー活動の統一的理解を目指しています。
GDXEは、天の川銀河面に広がる謎のX線で、高階電離重元素イオンからの強い輝線を伴います。これは数千万度の高温プラズマが、何らかの形で天の川に存在する証拠です。
この高温プラズマは、天の川銀河の高エネルギー天体現象、すなわち、銀河中心超巨大ブラックホールSgr A*の過去の活動や、超新星残骸や白色矮星連星、中性子星・ブラックホールのジェット、恒星フレア等と関連すると考えられ、これらの天体の解析にも取り組んでいます。

Chapter02

JAXAの衛星XRISMの開発と運用に関わる

宇宙からのX線は大気で吸収されるため、観測には人工衛星が必要です。2023年9月7日に打ち上げられたJAXAのX線分光撮像衛星XRISMの開発と運用にも関わっています。
これらの知見を活かし、人工衛星等の様々なテクノロジーを題材とした理科教材の開発・教育実践研究も進めています。

Chapter03

天文学・科学教育の知見を相互に活かしながら研究を進めたい

教育学部教員として、小中高の理科の先生を目指す学生に物理学と天文学を教えています。こうした教育の合間を縫って、XRISM衛星のJAXA筑波宇宙センターでの試験や相模原の宇宙科学研究所での運用に参加してきました。
このXRISM衛星を使った最近の我々の研究は、Sgr A*周辺に存在する超高温プラズマが過電離状態にあることを決定的にしました。これはSgr A*が数千年前に大爆発を起こしていた可能性を示唆する成果です。これからもXRISM衛星の色々な成果がどんどん出てくると思いますので、皆さんにも是非ご注目いただき、応援いただけると嬉しいです。
一方で、子ども達が自身の学ぶ理科と宇宙(宇宙機・天文)との繋がりを実感できる教材の開発・実践を、特に教育学部・教職大学院の学生と進めています。こうした天文学・科学教育の知見を相互に活かしながら、研究を今後進めていければと思います。

[写真]内山 秀樹 (UCHIYAMA Hideki)

第6期 静岡大学若手重点研究者